マカオの住宅不動産市場、取引数減も平均平米単価上昇=14年12月

マカオ政府財政局は2月2日、昨年(2014年)12月の住宅売買・移転にかかる不動産印紙税の納付状況を発表した。印紙税の対象となった取引数は前月から12%減の418件だったが、平均平米単価は5.1%上昇の9万6411パタカ(日本円換算:約142万円)となった。

平均平米単価の内訳は、完成済み(即入居可の新築及び中古)物件で前月から4.6%上昇の8万3037パタカ(約122万円)、未完成物件で.45%上昇の14万5444パタカ(約214万円)。

14年通年では、取引数は前年比36.2%減の7218件となったものの、平均平米単価は21.0%増の10万0156パタカ(約147万円)となった。

マカオでは昨年6月以降、今年1月まで8ヶ月連続でカジノ売上が前年割れとなっている。また、昨年11月17日にマカオ政府統計調査局が発表した今年第3四半期の不動産取引統計でも、成約数、価格ともに第2四半期から大幅な下落となるなど、不動産マーケットの冷え込みを懸念する声が広がっていた。12月は平均平米単価が上昇という結果となったが、取引数そのものが減っているため、市場が好転したとはいい難い状況だ。一部のエリアや物件に人気が集中しているという。

マカオの不動産業者に話を聞くと、昨年11月にマカオと隣接する広東省珠海市の間の通関24時間化が決定して以降、珠海の不動産に対する関心が高まっているという。マカオの不動産マーケットはこのところ取引そのものが少なく、非常に静かな状態とのこと。マーケットでは、昨今のカジノ売上の減少は一時的なものとする楽観論も根強く、新規のカジノ付き大型IR(統合型リゾート)施設のオープンラッシュとなる今年(2015年)下半期以降、再び上昇に転じるとし、「今が仕込み時だ」とする投資家もいるとのこと。

新興高級住宅街として知られるマカオ・タイパ島中心部の高層マンション群(資料)—本紙撮影

新興高級住宅街として知られるマカオ・タイパ島中心部の高層マンション群(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営6陣営の一角にあたるサンズチャイナは5月15日、コタイ地区にあ…
  2.  きのう(5月15日)はマカオ及びマカオにとって第二の旅客ソースである香港でパブリックホリデーとな…
  3.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社の何超鳳(デイジー・ホー)常務董事(マネジ…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は5月14日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の住宅・商業テナント…
  5.  マカオ司法警察局は5月14日、同月12日夜にマカオ半島北部に位置するモンハの丘のトレイルコースで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun