中国本土の嫌香港ムード余波、訪マカオ団体旅客数1割減見通し=中国版ゴールデンウィーク

中国本土では5月1日の労働節(メーデー)から3日までが「黄金周」と呼ばれる中国版ゴールデンウィークにあたり、内外への旅行需要が高まる時期となる。

マカオの政府系放送局TDMが4月26日午前のラジオニュースで報じた内容によると、同局の取材に応じたマカオ観光業議会の胡景光理事長が、ゴールデンウィーク期間中に中国本土からマカオを訪れる団体旅客数について、前年同期比で1割を超える減少となるとの見通しを示したという。理由として中国本土における嫌香港ムードの広がりによる香港への渡航意欲が減少していることによる影響を挙げている。中国本土からの団体旅客は香港とマカオをセットで訪れるのが一般的となっているためだ。また、訪マカオ旅客総数については個人旅行者の増によって例年並みとなることを望むと語っている。

昨年(2014年)9月末から11月にかけて発生した道路占拠事件や、中国本土旅客による転売目的の爆買い行為をめぐって地元住民との間でトラブルも目立ったことなどから、中国本土での香港に対するイメージ悪化が指摘されている。

かつては「ショッピング天国」のイメージで中国本土からの旅行先として高い人気を誇った香港だが、今年に入って以降、春節(旧正月)と清明節の連休を含め、中国本土団体旅客の減少傾向が続いている。

昨年、中国本土から香港、マカオを訪れた旅客数はそれぞれ前年比16%増の4700万人、14.1%増の2100万人となり、旅客総数の78%、67%を占めた。

中国本土との陸路の玄関口となるマカオ半島北部の關閘イミグレーション到着ゲート(資料)=2015年2月(写真:GCS)

中国本土との陸路の玄関口となるマカオ半島北部の關閘イミグレーション到着ゲート(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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