カジノ低迷長期化のマカオ、ディーラー職の他部署への異動も=今後のIR開幕ラッシュで需給改善か

マカオのカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年8月まで前年割れが続くなど、低迷が長期化の様相を呈している。マカオ政府が今年8月に公表した最新統計で、カジノディーラーの数が6年ぶりにマイナスに転じたことが明らかになった。

マカオの政府系放送局TDMが9月12日夕方のラジオニュースで報じた内容によると、マカオのゲーミング(カジノ)業従業員から成る幸運博彩業職工總會傘下の互助組織「ゲーミング業従事者の家(博彩業職工之家)」の白健邦主任は同局の取材に対し、昨今のカジノ市場低迷の影響を受け、カジノディーラー職に余剰が生じていることから、一部のカジノ運営企業でバックオフィスやホテル部門への人事異動による調整が見受けられると明かした。ただし給与や福利厚生は不変とのこと。目下、ディーラー職から他部署への人事異動は一部に留まっているとし、今後、大型IR(統合型リゾート)の開幕が相次ぎ開業を予定しているため、再びディーラー職の需要が高まることから、今後については楽観的な見通しとのこと。

なお、カジノ市場の低迷が長期化する中、会員からの仕事に対するプレッシャー等に関する相談件数は増加傾向にあるという。

マカオ政府統計調査局が今年8月19日に公表した今年(2015年)第2四半期の人材関連統計によると、ゲーミング(カジノ)業界従事者数(カジノ仲介及び仲介パートナー、いわゆる「ジャンケット」除く)は前年同期比1.3%増の5万7422人とプラスだったが、カジノディーラー職に限ると2.5%減の2万5072人となり、2009年第2四半期以来、6年ぶりにマイナスを記録した。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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