マカオ入管の顔認証システム「なりすまし」117人見破る=4年前から運用

世界最大のカジノ都市として知られ、昨年(2014年)海外(中国本土・香港・台湾含む)から約3150万人もの旅客が訪れたマカオ。近年、急速な経済発展、国際化が進む中、域外からの不法分子の流入に対する水際対策が一層重要度を増している。

マカオ警察当局では「なりすまし」などによるマカオへの不法入境対策として、2011年1月1日からマカオの出入口となるイミグレーション施設で顔認証システムの導入を進めている。

マカオの日刊紙澳門日報が10月21日付紙面で報じた記事によると、顔認証システムは入境審査においてスキャンしたパスポートなどの各種旅券類の顔写真データ、マカオにおける違法・違反行為履歴及び入境規制対象者のデータベースと照合するもので、処理に要する時間は1〜2秒とのこと。導入時から今年8月までの4年8ヶ月の間、他人の旅券類を使い「なりすまし」入境を試みた117人の入境規制対象者の検挙に成功したという。

なお、現時点の顔認証システムの対象者は世界160の国・地域の旅券類を使用してマカオへ入境する旅客で、マカオ居民(マカオ居留権保有者)IDカード保有者は対象外という。

マカオは1999年12月20日にポルトガルから中国へ返還され、中国の特別行政区となった後も、独自の出入境管理を実施している。

中国本土からマカオへの主要な陸路の玄関口、關閘イミグレーション施設の入境審査場(資料)=5月1日(写真:CPSP=澳門治安警察局)

中国本土からマカオへの主要な陸路の玄関口、關閘イミグレーション施設の入境審査場(資料)=5月1日(写真:CPSP=澳門治安警察局)

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