マカオ、一等地のテナント賃料2割下落=「爆買い」鳴りひそめ

昨今、中国本土経済の成長鈍化や反汚職キャンペーン、マカオ当局によるカジノ周辺の規制及び入境制限の強化などを理由に中国本土富裕層のマカオへの渡航意欲が減退しているとされ、かつて興隆を誇ったカジノVIPルーム売上や宝飾品などに代表される高級品の消費額が冴えない状況が続いている。

マカオの日刊英字経済誌マカオビジネスデイリーが12月23日付紙面で報じた記事によると、マカオの不動産大手ジョーンズ・ラング・ラサール・マカオのアソシエートディレクター、オリバー・トン氏は同紙の取材に対し、直近のマカオの繁華街エリアの一等地に位置する店舗の賃料が前年同時期と比較して2割程度下落していると語ったという。中でも、(マカオ半島旧市街地の中心にあたる)世界遺産・聖ドミニコ教会や聖ポール天主堂跡の周辺では3割以上の下落も見受けられるとのこと。

近年、観光名所に近い繁華街ではテナント賃料の高騰が続き、資金力豊富な海外資本のファションブランド、高級宝飾品、コスメティックブランド、ドラッグストアチェーンなどの出店が目立っていた。

マカオ半島中心部の繁華街エリア俯瞰。写真中央が世界遺産・セナド広場(資料)=2014年6月—本紙撮影

マカオ半島中心部の繁華街エリア俯瞰。写真中央が世界遺産・セナド広場(資料)=2014年6月—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオのマカオ半島とタイパ島を結ぶ3本の海上橋のうち、最初に架けられたカルヴァーリョ総督大橋(嘉…
  2.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は5月9日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の人口統計…
  3.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、SJMホールディングスは5月9日、今年第…
  4.  マカオ政府文化局(ICM)は5月8日、風雨シーズンの到来を受け、同月初旬からマカオの文化財建築物…
  5.  マカオ司法警察局は5月8日、犯罪組織による空路を利用した麻薬密輸の摘発を目的に、情報をもとにマカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun