中国本土旅客の「爆買い」鳴り潜める…マカオの旅客消費総額17.2%減=15年

マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)の訪マカオ外客数は前年から2.5%減となる延べ3071万4628人で、2年連続3000万人の大台を突破。このうち66%を中国本土旅客が占めた。

中国本土旅客といえば、日本での「爆買い」が大きな話題となっている。かつてはマカオでも同様の光景が繰り広げられていたが、昨今ではすっかり鳴りを潜めているようだ。

マカオ政府統計調査局は2月19日、昨年の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)を結果を公表。総消費額は前年から17.2%減の511.3億パタカ(日本円換算:約7189億円)で、2010年の調査開始以来初めてのマイナスとなった。

旅客1人あたり平均消費額は15.0%減の1660パタカ(約2万3341円)。トップは前年に続き中国本土旅客だったが、金額は16.5%減の1965パタカ(約2万7630円)にとどまった。中国本土から個人旅客に限ると16.5%減の2292パタカ(約3万2228円)。

消費の内訳については、ショッピングが45.8%、宿泊が25.4%。旅客1人あたりの平均ショッピング消費額は20.0%減の762パタカ(約1万714円)で、銘菓などの食品系土産が全体の29.4%を占めた。中国本土旅客の1人あたり平均ショッピング消費額は20.1%減の1051パタカ(約1万4778円)、個人旅客に限ると17.1%減の1442パタカ(約2万276円)。

なお、マカオの月次カジノ売上が今年1月まで20ヶ月連続で前年割れとなるなど、経済の柱となるカジノ業界の低迷も長期化している。

日本における盛り上がりとは裏腹に、マカオでは中国本土旅客の財布の紐が堅くなっているようだ。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月30日、同月29日にマカオ半島北部・關閘エリアの商業ビル、如意閣商場…
  2.  マカオでは、5月1日から新増訂版の「食品添加物使用基準」が適用開始となった。  食品安全行…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  英「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」は当地時間の4月30日、THEアジア大学ラン…
  5.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun