マカオ政府、格安ホテルの認可急ぐ=違法宿泊施設追放と旅客の多様なニーズに対応狙う

マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)の訪マカオ外客数は延べ3071万4628人で、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。

マカオ政府旅遊局(観光局)のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長は3月21日に違法宿泊施設対策会議に出席した際、バジェット(格安)ホテルの認可を急ぐ方針であることを明らかにした。現在、このカテゴリーに該当する2つ星ホテル及びペンサオンと呼ばれる簡易ホテルに関する申請は27軒、1700室分あるとのこと。

マンションの部屋などを不特定多数の旅客に貸し出す違法宿泊施設がオーバーステイや密航者の隠れ家として利用されるなど、犯罪の温床になっているとの指摘もあり、当局が取り締まりを強化して対応している。

旅遊局が公表した最新データによれば、今年1月のペンサオン及び2つ星ホテルの客室稼働率はおよそ56%で、3〜5つ星ホテルと比較して20%程度低い。マカオのホテル客室数は近年増加の一途をたどっており、今年1月時点のホテル数は106軒、客室数は3万2000室に達しているが、客室数の実に88%が4〜5つ星ホテルに属する。

マカオ政府として、安価を謳い集客する違法宿泊施設の追放と同時に、旅客の多様なニーズに対応するためにも、バジェットホテルの拡充が急務と捉えているようだ。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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