ウィンマカオがQ2業績発表、カジノ市場逆風下もマス部門伸長で増収確保=8月新規大型IRオープン

世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオだが、月次カジノ売上が今年(2016年)6月まで25ヶ月連続で前年割れとなるなど、低迷が長期化している。

米国ラスベガスとマカオでカジノIR(統合型リゾート)を運営する米ウィンリゾーツ傘下でマカオのカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角、ウィンマカオ社は7月29日、今年第2四半期(4〜6月期)業績を発表。前年同期から増収減益となった。

国会計基準によるウィンマカオ社の今年第2四半期の売上は前年同期から3.6%増の6億3931.5億米ドル(日本円換算:約670億円)、純利益が11.5%減の6514.4万米ドル(約68億円)、調整後EBITDAは9.8%増の1.904億米ドル(約199億円)。

なお、カジノ売上はマスゲーミング(いわゆる平場)部門の伸長が寄与した結果、5.2%増の6億838.2億米ドル(約637億円)となった。

ウィンマカオ(資料)=マカオ・新口岸地区、2015年4月—本紙撮影

ウィンマカオ(資料)=マカオ・新口岸地区、2015年4月—本紙撮影

現在、ウィンマカオ社はマカオ半島新口岸地区で大型IRウィンマカオを運営している。また、同社がコタイ地区で開発を進めている新規IR施設、ウィンパレスが今年8月22日に開業を予定している。

第2四半期業績発表資料の中で、ウィンマカオ社ではすでにマカオカジノ監理当局にあたるDICJにゲーミング(カジノ)テーブルの新規割り当て申請を実施しており、100台を獲得できるとの見込みを示した。また、現在ウィンマカオに割り当てられている中から250台をウィンパレスに移す計画もあるとしており、ウィンパレスのゲーミングテーブル数は合計350台体制となりそう。なお、事前の発表によれば、ウィンパレスのカジノフロアのゲーミングテーブル最大収容台数は500台という。

ウィンパレスの公式ウェブサイトによれば、プロジェクト総工費はおよそ41億米ドル(日本円換算:約4295億円)とのことで、28階建てのホテル棟に1706の客室が入るほか、カジノ、ショッピングアーケード、コンベンションセンター、ウォーターショーを上演するパフォーマンスレイク、その周辺をめぐるゴンドラなどが一堂に会するという。

ウィンパレス建設現場の様子=マカオ・コタイ地区、2016年6月-本紙撮影

ウィンパレス建設現場の様子=マカオ・コタイ地区、2016年6月-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun