マカオ、新禁煙法違反1252件…1〜2月=当局が愛煙家に法律遵守呼びかけ

世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法」が2012年元旦から施行された。違反者には最高600パタカ(日本円換算:約8600円)の罰金が科せられ、マカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

SSMが3月6日に発出したプレスリリースによれば、新禁煙法が施行された2012年元旦から今年(2017年)2月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ134万3349箇所(1日平均延べ712箇所)、違反件数は延べ3万9199件に達したといい、愛煙家に対してあらためて法律を遵守するよう呼びかけた。

今年1月1日から2月28日の期間に限ると、禁煙Gメンによる巡回場所は延べ5万2811箇所(1日平均のべ895箇所)、累計違反件数は1252件だった。違反の内訳は、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が1248件、基準を満たさないパッケージの商品が4件。

違法喫煙行為の違反者のうち、男性が全体の94.0%を占める1173人、女性が6.0%の75人、マカオ市民が57.7%の720人、海外(中国本土・香港・台湾含む)からの旅客が36.0%の449人、海外労働者が6.3%の79人。取り締まりにあたって警察の協力を必要とした事案が37件あった。なお、罰金の納付率は77.4%。

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち=マカオ外港フェリーターミナル(写真:SSM)

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち=マカオ外港フェリーターミナル(写真:SSM)

マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。

カジノ内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年1月1日から2月28日までの2部局による合同巡回場所は延べ92箇所、違法喫煙行為は71件あった。違反者は男性が全体の95.8%を占める68人、女性が4.2%の3人、海外からの旅客が81.7%の58人、マカオ市民が16.9%の12人、海外労働者が1.4%の1人。

マカオ政府はVIPルームについても、マスゲーミングフロア同様の喫煙ルームを設置するかたちでの禁煙化を実施する予定。このほか、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち=マカオ半島新口岸地区(写真:SSM)

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち=マカオ半島新口岸地区(写真:SSM)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は10月21日、同月16日に路線バスの車内で乗り合わせていた大学生の女性(20代…
  2.  1954年にスタートした歴史あるモータースポーツの祭典、マカオグランプリ(マカオGP)。市街地の…
  3.  マカオ政府交通事務局(DSAT)は10月19日、マカオにおけるスマート交通信号制御システム(スマ…
  4.  マカオ半島新口岸地区にある統合型リゾート(IR)「ウィンマカオ(永利澳門/Wynn Macau)…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月17日夜、マカオ域内で今年(2024年)15例目(月内10例目…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun