10パタカ紙幣新券不足―春節向け需要

春節(旧正月)を前に、マカオでは10パタカ紙幣の新券が不足しているという。春節シーズンに利是(ライシー)と呼ばれる、いわゆるお年玉を配布する習慣があり、例年この時期に新券の需要が高まる。しかしなぜ今年は不足しているのだろうか。

3日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。今年、10パタカ紙幣新券が不足している原因は干支記念紙幣の影響によるものという。2012年、2013年度の紙幣発行計画のうち、10パタカ紙幣については通常紙幣と干支記念紙幣の合計で枚数設定がなされている。干支記念紙幣は昨年の辰年から発行がスタートし、今年も蛇年紙幣の発行が予定されているが、たいへんな人気を集めコレクターアイテム化しており、市場に流通しない状況となっている。10パタカ紙幣自体の総発行枚数自体は市場需要を十分満たす(銀行筋)というが、記念紙幣の市場流通率が低いことが10パタカ紙幣不足の原因といえる。

また、通常の10パタカ紙幣についても、中国銀行が2008年に発行した紙幣は券面に記載されている発行日が2008年8月8日という中華圏で縁起が良いとされる数字の「8」が並ぶことから、すでにコレクターマーケットで1.5倍程度の価格で取引されているという。

なお、銀行関係者によると、例年春節前に両替された新券のうち、およそ8割が春節後に銀行に戻るという。未使用ではないが、新券同様の真新しい紙幣は需要を満たすだけの用意があるとのこと。

(上)2008年8月8日発行と縁起が良い数字が並ぶ中国銀行の通常10パタカ紙幣 (下)中国銀行版の龍年記念紙幣 (中國銀行澳門分行ホームページより)
(上)2008年8月8日発行と縁起が良い数字が並ぶ中国銀行の通常10パタカ紙幣 (下)中国銀行版の龍年記念紙幣 (中國銀行澳門分行ホームページより)

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