マカオ、宿泊伴う旅客が増加傾向も港珠澳大橋開通後の動向に注目

アジア有数の観光都市として知られるマカオだが、インバウンド旅客の大半を占める中国広東省や香港と距離的に近く、日帰り旅客が大半を占める状況が続いてきた。

近年では、大型カジノIR(統合型リゾート)のオープンラッシュによってホテル客室供給数が増えたことから競争による価格の平準化が進んだこと、官民による旅客の滞在時間延長を目的とした積極的なイベント誘致策などが奏功し、宿泊を伴う旅客数が日帰り旅客数を上回るまでに至った。

マカオ政府統計調査局が公表した最新データによれば、昨年(2017年)1〜11月累計のインバウンド旅客数は前年の同じ時期から5.1%増となる2956万人。このうち、宿泊を伴う旅客は10.4%増の1562万人に達し、旅客全体に占める割合は2.1ポイント上昇の52.8%となっている。

なお、年内にも香港と中国・珠海、マカオを結ぶ港澳大橋が開通する予定となっており、アクセス向上が見込まれる。橋の開通を契機に、宿泊を伴う旅客がより価格帯の安い珠海や選択肢が豊富な香港に流出する懸念がある一方、これまで香港に留まっていた国際旅客をマカオに吸引できるチャンスもあるとされており、その動向に大きな注目が集まっている。

建設中の港珠澳大橋。手前がマカオ側イミグレーション施設群の建つ人工島(資料)=2016年7月-本紙撮影

建設中の港珠澳大橋。手前がマカオ側イミグレーション施設群の建つ人工島(資料)=2016年7月-本紙撮影

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