マカオで今年9人目の輸入性デング熱感染者確認…患者は広東省からの越境通勤者=近日域内感染も連続発生

マカオ政府衛生局(SSM)は10月2日午後、今年(2018年)に入って以降で9人目となる輸入性デング熱感染者を確認したと発表。

SSMによれば、患者はマカオと隣接する中国広東省珠海市の拱北地区に居住、マカオの就労許可証を持ち、越境通勤でコタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)の建設現場に勤務している中国本土出身の男性(35)。9月23日から25日及び29日にかけて親族訪問のため広東省新会市に出かけており、28日に発熱、悪寒、筋肉痛等の症状が出たため、新会市の私立のクリニックを受診。その後、症状が再び現れたことから、10月1日にマカオの公立総合病院にあたる仁伯爵綜合醫院の救急外来を受診し、デング熱検査を受け、2日にSSM公衆衛生研究所による検査結果が明らかとなり、デング熱1型に感染していることが確認された。

現在、患者は熱も下がり、容体は安定しており、患者と同居の家族にデング熱特有の症状は見られないという。なお、マカオでは9月末にマカオ半島旧市街地の中心部で交通の要衝にあたる水坑尾(ルア・ド・カンポ)地区周辺で域内デング熱感染例が3例連続して確認されているが、患者はこのエリアへの訪問歴はないとのこと。SSMでは、患者の渡航歴、症状、先に同一地区で連続確認された3例の域内デング熱がいずれもデング熱3型で型が異なることなどを踏まえ、輸入性デング熱であると判断を下した。SSMは、速やかに患者の勤務先周辺で蚊の駆除を実施する予定。

マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境通勤者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月、7月、8月、9月にかけて輸入性デング熱感染が8例確認されており、患者はマレーシア(3例)、タイ(2例)、インドネシア(1例)、カンボジア(1例)、フィリピン(1例)への渡航歴があった。また、6月に1例、9月に3例の域内感染例も確認されている。

SSMでは、デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地の東南アジア地域を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に再度呼びかけた。目下、マカオは雨季にあたり、デング熱やジカ熱を媒介する蚊が繁殖しやすい環境となるため、域内においても注意が必要となる。

マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun