マカオ政府と競馬運営会社のコンセッション延長条件詳細が明らかに…統合型競馬場への進化促す

豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、グレイハウンド犬を使ったドッグレース、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

昨年(2018年)2月、マカオ政府のギャンブル監理部門にあたる博彩監察協調局(DICJ)が同月28日で満期を迎えるマカオ政府とマカオ競馬運営事業者のマカオジョッキークラブとのコンセッションについて、2042年8月31日までの延長を決定したと発表。

同年4月11日付のマカオ特別行政区官報にその契約内容が掲載され、マカオジョッキークラブが2023年8月末までに資本金を15億パタカ(日本円換算:202億円)以上に増強し、非ギャンブル要素の強化や老朽化した施設の更新などを進め、市民及び観光客のレジャーの多様化を通じて経済発展に貢献すること、2021年4月10日までに政府への未払金1.5億パタカ(約20億円)を完済することが必須条件として盛り込まれた。

さらに、今年(2019年)1月16日付のマカオ特別行政区官報に12項目の具体的な投資プラン及びそれぞれのデッドラインを明確にした追加付録の内容が掲載された。

統合型競馬場を目指す方向が明確に示されたかたちで、今年末までのメインビルディングのリノベーション工事の完了、2024年末までのマカオLRT(新交通システム)最寄駅との直結通路整備、2つのホテル、2つのサービスアパートメント、テニスコートの整備完了、2026年末までの馬をテーマにしたレジャー施設及び馬術学校の整備完了などが含まれる。

なお、付録に盛り込まれた事項を含む契約を履行できなかった場合、マカオ政府はコンセッションを途中解約できるとしている。

マカオのギャンブル市場ではカジノが圧倒的なシェアを占める状況。カジノ以外のギャンブルについては、スポーツくじを除いて苦戦が続いている。

マカオ・タイパ島にある競馬場(資料)—本紙撮影

マカオ・タイパ島にある競馬場(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ生産性・技術移転センター(CPTTM)は10月14日、マカオ招商投資促進局と合同で同月16…
  2.  マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)は10月14日、世界各地か…
  3.  マカオ政府の発表によれば、マカオ行政長官の賀一誠(ホー・ヤッシン)氏が10月14日午前、政府本部…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は10月14日、今年第3四半期(2024年7~9月)の観光物価指数が前…
  5.  ゴルフイベント「SJMマカオオープン2024」が今年(2024年)10月10〜13日にかけてマカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun