マカオ、19年第1季のカジノ売上に占めるVIPルーム比率が過半数割れ…前年同時期から7.3ポイント下落、マスシフト進む

豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオ政府博彩監察協調局は4月16日、今年第1四半期(2019年1〜3月)の各種ギャンブル統計を公表。

今年第1四半期の総ギャンブル売上は前年同時期から0.5%減の763.72億マカオパタカ(日本円換算:約1兆0580億円)、このうちカジノによる売上は0.5%減の761.52億マカオパタカ(約1兆0550億円)で、実に全体の99.7%を占めた。

カジノ売上の内訳については、VIPルームによる売上を反映するVIPバカラ売上が13.4%減の372.08億マカオパタカ(約5155億円)。カジノ売上全体に占めるVIPルームの割合は7.3ポイントの大幅下落となる48.9%となり、過半数を割り込んだ。一方、マスゲーミング(いわゆる平場)のバカラ売上は19.5%増の298.79億マカオパタカ(約4140億円)で、VIPルームからマスへのシフトが伺える。マカオのカジノではバカラが圧倒的なシェアを誇り、カジノ売上全体に占めるVIPバカラとマスゲーミングバカラ売上の比率は88.1%に上る。

今年第1四半期末時点のカジノ施設数は前年同時期から横ばいの41軒で、ゲーミング(カジノ)テーブルの数は昨年第1四半期末から38台増の6624台、スロットマシンの数は83台減の1万7122台だった。

カジノ以外の各種ギャンブルの売上については、競馬が16.7%減の0.25億マカオパタカ(約3.5億円)、中国式ロトが25.0%減の0.03億マカオパタカ(約0.4億円)、サッカーくじが4.8%増の1.32億マカオパタカ(約18.3億円)、バスケットボールくじが14.5%減の0.59億パタカ(約8.2億円)など。なお、ドッグレースはコンセッション満了により昨年6月末でレース開催を終了したためゼロ。

【資料1】2019年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:249.42億マカオパタカ=約3456億円(5.0%減)
・2月:253.70億マカオパタカ=約3515億円(4.4%増)
・3月:258.40億マカオパタカ=約3580億円(0.4%減)
>1〜3月累計:761.52億パタカ=約1兆0550億円(0.5%減)

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ招商投資促進局(IPIM)は9月8日、同局と国際熱帯木材機関(ITTO)の主催による「グロ…
  2.  マカオ司法警察局は9月7日、非マカオ籍の男性ギャンブラーへ賭博用途のカネを高利で貸し付けた上、返…
  3.  マカオでは、台風11号(国際名「ヤギ」)の接近による影響で、9月5日午後10時から6日午後2時ま…
  4.  マカオでは、9月5日から6日かけて超大型の台風11号(国際名「ヤギ」)が接近し、激しい風雨に見舞…
  5.  マカオ経済の屋台骨となっているのが、カジノを主としたゲーミング(ギャンブル)産業だ。マカオにはカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun