マカオで日本の若手作家・葉栗里さんの展覧会開催…マカオ出身の芸術家「シーズン・ラオ賞」受賞がきっかけで実現

南欧風の建築物が並び、アート・カルチャーエリアとして知られるマカオ半島旧市街地ラザロ地区にある仁慈堂婆仔屋(Albergue SCM)で、4月17日から日本の若手作家・葉栗里(はぐり・さと)さんの個展が開催されている。

葉栗里さんは名古屋出身で、最近日本国内で話題になりつつあり、今年で第6回目を迎えるアーティスト主体の大規模アートイベント「UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka」へ2018年に出展。同イベントの審査員を務めるマカオ出身の芸術家、シーズン・ラオさんが選ぶ「シーズン・ラオ賞」 を受賞したことをきっかけに、今回マカオでの展覧会開催につながったとのこと。

葉栗里さんの作品は、日本における木彫の繊細さをどこか引き継ぎつつも軽やかで、劇のステージのような空間構成とユニークな浮遊感のある世界観が特徴。今回は77点の作品がマカオに初登場する。

マカオ・ラザロ地区のAlbergue SCMで展示される葉栗里さんの作品の一部(写真:婆仔屋文創空間 Albergue SCM)

マカオ・ラザロ地区のAlbergue SCMで展示される葉栗里さんの作品の一部(写真:婆仔屋文創空間 Albergue SCM)

初日(17日)に行われたオープニングには、中国中央政府駐マカオ連絡弁公室、マカオ文化局、マカオ芸術博物館、文化産業基金、マカオ基金會、マカオ美術協会、欧州文化研究学会、マカオ理工学院芸術高等學校、Albergue SCMなどの代表と作家がテープカットに参加し、展覧会の開催を祝った。展覧会は5月8日まで開催予定で、会場では本展覧会の画集も手に取ることができる。会場のAlbergue SCMでは、シーズン・ラオの近作の企画展も同時開催される。

展覧会を推薦するシーズン・ラオさんは日本を拠点に国際的に活躍する芸術家で、日本とマカオの芸術の架け橋となる活動も手がける。これまでに札幌雪まつりマカオ広場のコラボレーションや、東京でのマカオ作家の展覧会企画などを行ってきた。そして昨年に引き続き、日本の優秀な現代アート受賞作家とその作品をマカオに招待している。

シーズン・ラオさんの展覧会は近く、京都・瑞泉寺(5月7~10日)、マカオ理工学院(5月13〜20日)、アメリカ・バーモント州南バーモント・アート・センターとウィルソン・ミュージアム(6月29日~8月11日)などでも開催予定となっている。

左:葉栗里さん、右:シーズン・ラオさん=マカオ・ラザロ地区にて(写真:婆仔屋文創空間 Albergue SCM)

左:葉栗里さん、右:シーズン・ラオさん=マカオ・ラザロ地区にて(写真:婆仔屋文創空間 Albergue SCM)

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