マカオ大学客員教授のポルトガル人学者がマカオカジノ史研究書出版…従来資料や研究の空白埋める

マカオ大学は6月6日、マカオ大学の客員教授を務めるポルトガル人のジョルジュ・ゴジーニョ氏がポルトガル最大手の法律書出版社として知られるリブラリア・アルメジーナ社から『マカオのカジノ〜世界最大のゲーミング市場の歴史(原題:Os Casinos de Macau – História do Maior Mercado de Jogos de Fortuna ou Azar do Mundo)』を出版したと発表。

著者によれば、本書において1849年から現在に至るまでのマカオのカジノ発展史が語られており、マカオのゲーミング業文献資料として、さらにはマカオ経済史研究分野においても、従来の空白を埋める作品であるという。

本書では、マカオには170年以上のゲーミングの歴史があり、どのようにしてラスベガスに取って代わり、世界最大のゲーミングセンターとなったかについて述べられている。マカオでゲーミングが合法化されて以降、1849年から2018年の間のゲーミング業の発展史に関する詳細な記述は本書が初めてとのこと。時代によって異なる経済、政治的背景の中で、カジノ内の各種ゲームのオペレーション、カジノ経営ライセンスの発給、カジノ経営ライセンスの競争入札過程、法律、徴税、フランチャイズ経営権による運営方式について焦点を当てているのも特徴。

本書は3章構成。第1章は1849〜1961年にかけての「番攤(ファンタン)期」、第2章はバカラがバカラが最も重要なカジノゲームとなった1962〜2002年にかけての「STDM社による独占経営期」。第3章は観光業の飛躍的成長かにおける競争コントロール、ゲーミングプロモーター仲介人及びポイント制度に対する法規制、多様性の強化といった政府による業界改革措置が多数導入された2002年から現在に至る「IR(統合型リゾート)期」となっている。

著者はかつてマカオ大学法学部教授を務め、長年にわたり国際ビジネス法の修士課程を担当。現在は同大学の客員教授として法学部及び経営学部でゲーミング法を教えているとのこと。

マカオ大学客員教授のポルトガル人学者がマカオカジノ史研究書出版(写真:University of Macau)

マカオ大学客員教授のポルトガル人学者がマカオカジノ史研究書出版(写真:University of Macau)

関連記事

最近の記事

  1.  ゴルフイベント「SJMマカオオープン2024」が今年(2024年)10月10〜13日にかけてマカ…
  2.  10月13日、中葡綜合體展覧館(中国・ポルトガル語圏諸国商業貿易協力サービスプラットフォームコン…
  3.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  4.  マカオ政府財政局が10月10日に公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜9月の…
  5.  マカオ政府体育局とスターマックエンターテインメントプロダクションが主催する3人制バスケットボール…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun