マカオで今年2人目の在郷軍人病感染者確認…患者は41歳マカオ人男性、潜伏期間中の海外渡航歴なし

マカオ政府衛生局は7月16日夜、マカオで今年(2019年)2人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

SSMが発出したプレスリリースによれば、患者は事務職のマカオ人男性(41)で、ぜんそくの病歴があるとのこと。7月10日に発熱、寒気、頭痛、息切れなどの症状が現れ、薬を服用したが症状が軽減しなかったため、13日に私立の大型総合病院にあたる鏡湖醫院の救急外来を受診。15日になっても症状が続き、血痰が出たことから、同院を再び受診し、胸部X線検査の結果、肺炎とわかり、入院が決まった。16日に尿検査の結果が明らかとなり、在郷軍人病に感染していることが確認された。目下、患者の容体は安定しているという。

なお、患者はSSMの聞き取り調査に対し、潜伏期間中はマカオ滞在し、海外には出かけていないと話しているとのこと。同居の家族に類似の症状は見受けられないとした。SSMでは、感染源について調査を進めているとした。

在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。昨年(2018年)マカオで確認された在郷軍人病感染者数は5人だった。このうち潜伏期間中に海外渡航歴がなかった患者は2人。今年最初の感染例確認は1月のことで、患者は親族訪問のためマカオを訪れていた韓国人旅客だった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオを運営するギャラクシーエンターテ…
  2.  マカオ司法警察局は7月26日、香港警察当局と合同でカジノ高利貸しグループを摘発し、両地でメンバー…
  3.  マカオ治安警察局は7月26日、同局の管轄下にある特警隊が同月27日午前9時から正式にタイパ島北安…
  4.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  5.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun