マカオの世界遺産「ギア要塞」構成する灯台と教会でメンテナンス工事実施…工事期間中も一般公開継続

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化がミックスしたエキゾチックな町並みが残るマカオ半島の歴史市街地区には、ユネスコ世界文化遺産リストに登録されている建物と広場が30ヵ所存在する。

マカオ政府文化局(ICM)は8月12日、世界遺産「ギア要塞」を構成するギア灯台とギア教会について、同月19日から壁面及び屋根の検査・メンテナンス工事を実施すると発表。いずれも作業は10月末にかけて実施を予定しているとのこと。なお、工事期間中は建物外周に足場が組まれるが、教会内部の一般公開は通常通り継続するとした。(*灯台の内部はもともと非公開)

ギア要塞は1622年にマカオ半島で最も標高の高い位置にあるギアの丘に築かれたもの。同年に建てられたギア教会の内部には、東洋と西洋の宗教的、神話的モチーフを表した精巧な壁画が残っており、マカオ独特の東西文化の融合を象徴するものとされる。ギア灯台は1864年に建てられ、翌年9月24日に点灯した中国沿岸部最古の近代灯台といわれる。高さ約15メートルの白亜の灯台は、マカオの紙幣デザインにも採用されるなど、港町マカオを象徴する存在として市民や観光客から愛されている。設計はマカオ生まれのポルトガル人、カルロス・ヴィセンテ。

現在、マカオの世界遺産のうち、聖ドミニコ教会とドン・ペドロ5世劇場でもメンテナンス工事が進められている。聖ドミニコ教会はの工事期間は11月末までの予定で、教会は一般公開を中止するが、併設する博物館「聖物寶庫」については通常通りオープンする。また、ドン・ペドロ5世劇場の工事期間は9月末までの予定で、作業期間中も通常通り内部一般公開を継続するとのこと。

世界遺産「ギア要塞」を構成するギア灯台とギア要塞(写真:ICM)

世界遺産「ギア要塞」を構成するギア灯台とギア要塞(写真:ICM)

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