2018年マカオのゲーミング(カジノ)業界総収入約4.1兆円…2年連続増=付加価値総額は2014年以来最高の約2.7兆円に

 マカオ経済の屋台骨として知られるのが、カジノを中心としたゲーミング(カジノを含むギャンブル)産業だ。マカオにはカジノ以外にも、競馬、スポーツくじ、ロトなどのギャンブルが存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は9月13日、昨年(2018年)のゲーミング業調査結果を公表。同年のマカオのゲーミング業界の総収入は前年から13.7%増の3047.1億マカオパタカ(日本円換算:約4兆1121億円)で、2年連続で対前年プラスとなった。内訳をみると、ゲーミング収入が13.6%増の3028.6億マカオパタカ(約4兆0871億円)、料飲売上が4.6%減の5.4億パタカ(約73億円)。また、銀行預金と貸付金の大幅増により、受取利息は2.6倍増の5.3億マカオパタカ(約72億円)に上った。

 総支出は11.2%増の1278.0億マカオパタカ(約1兆7247億円)。このうち、購買、コミッション、顧客へのリベートが13.3%増の689.7億マカオパタカ(約9307億円)で、支出全体の54.0%を占めた。営業費用は14.0%増の318.4億マカオパタカ(約4297億円)で、いわゆるコンプ(ホテル宿泊、飲食、商品、サービス等の顧客への無料提供)が13.2%増の146.2億マカオパタカ(約1973億円)、管理サービス及びサードパーティサービスが17.3%増の60.8億マカオパタカ(約820億円)、マーケティング調査・宣伝プロモーションが18.4%増の56.8億マカオパタカ(約767億円)。従業員支出は4.9%増の223.7億マカオパタカ(約3019億円)で、全体に占める割合は17.5%。このほか、営業外費用(減価償却費及び支払利息を含む)は2.9%減の46.2億マカオパタカ(約623億円)。

 業界の経済貢献を示す付加価値総額は13.6%増の2033.8億マカオパタカ(約2兆7446億円)で、2014年以来の最高を記録。業界の利益は14.8%増の1810.1億マカオパタカ(約2兆4427億円)、利益率は0.6ポイント上昇の59.5%。複数の大型ツーリズム・ゲーミング施設の落成及び大規模リノベーションにより、業界の総固定資本形成は6.2倍増の68.0億マカオパタカ(約918億円)に達した。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun