第66回マカオGP、前回大会の大クラッシュで重傷負ったフローレシュ選手が復帰出場の見通し

 「サンシティグループ第66回マカオグランプリ」の開幕を約2週間後に控え、マカオの街はグランプリムードが盛り上がりつつある。

 前回大会の最終日(2018年11月18日)に行われたフォーミュラ3(F3)マカオグランプリ決勝レース中、ドイツ出身の女性ドライバー、ソフィア・フローレシュ選手(当時17)のマシンがリスボアベントと呼ばれる直角カーブ手前でコントロールを失い、ほぼトップスピードの状態で宙を舞い、コーナーのフェンスを突き破ってコース外に飛び出し、記者台に激突するクラッシュが発生。マカオの病院に救急搬送され、第7頚椎の破裂骨折の重傷を負ったことは記憶に新しい。

 マカオグランプリ組織委員会のコーディネーターで、政府体育局局長の潘永權氏は11月2日、マカオ半島中央部にある塔石廣場で開催される事前プロモーションイベント「マカオグランプリ親子カーニバル」のオープニング式典で囲み取材に応じ、フローレシュ選手が今大会に出場する予定であることを明らかにした。

 潘氏によれば、フローレシュ選手側からFIA(国際自動車連盟)に対して再出場意向が伝えられ、FIAによるドライバー選抜テストを通過し、出場選手リストに名を連ねたとのこと。また、同選手はプロフェッショナルなチームがサポートしており、再出場に大きな問題はないとの見方を示した。

慰問に訪れたマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官らと笑顔を交えて歓談するソフィア・フローレシュ選手=2018年11月21日、マカオ・仁伯爵綜合醫院(写真:マカオ政府社会文化庁長官事務所)

慰問に訪れたマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官らと笑顔を交えて歓談するソフィア・フローレシュ選手=2018年11月21日、マカオ・仁伯爵綜合醫院(写真:マカオ政府社会文化庁長官事務所)

 なお、今大会のF3マカオグランプリは、FIA-F3チャンピオンシップが導入した新規格が採用されるため、サーキットがFIAの分類における「グレード2」へアップグレードされる。これに伴い、サーキットの複数箇所で衝突保護フォームと新型安全クラッシュバリアの設置などを含む改良が実施されており、リスボアベントについても緩衝エリアを拡大し、記者台は設置されない。

 フローレシュ選手はマカオで入院中、退院時の記者会見でもマカオでのレースにカムバックしたいとの強い意気込みを語っていた。

サンシティグループ第66回マカオグランプリ親子カーニバルのオープニング式典=2019年11月2日、マカオ・塔石廣場(写真:GCS)

サンシティグループ第66回マカオグランプリ親子カーニバルのオープニング式典=2019年11月2日、マカオ・塔石廣場(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月20日、シンガポールからマカオへ向かう航空機内で別の客の荷物から現金を盗ん…
  2.  マカオ司法警察局は4月18日、架空の詐欺被害をでっち上げたとしてマカオを訪れていた中国人(中国本…
  3.  マカオ政府衛生局は4月19日夜、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィ…
  4.  マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公…
  5.  4月19日付のマカオ特別政府区公報に「不動産需要管理に関する税制措置の撤廃」法が掲載され、翌日(…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun