マカオ、19年10月のインバウンド旅客数 対前年1.8%増の約321万人…日本人に限ると34.9%の大幅減=1〜10月累計は15.3%増の3341万人

 マカオ政府統計調査局は11月21日、今年(2019年)10月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。月次のインバウンド旅客数は前年同月から1.8%増の320万9751人(延べ、以下同)だった。

 今年10月のインバウンド旅客全体のうち、宿泊を伴う旅客は前年同月から4.8%減の147万4919人だった一方、日帰り旅客は8.1%増の173万4832人に上った。日帰り旅客が全体に占める割合は54.0%。旅客の平均滞在時間は横ばいの1.2日で、宿泊を伴う旅客は0.1日延びて2.4日、日帰り旅客は横ばいの0.2日だった。

 国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、1.5%増の234万2373人。個人旅客に限ると1.9%減の108万4626人で、海路経由での入境者は59.7%減の5万7715人にとどまった。海路ルートは香港からが主となるため、昨年10月24日に開通した港珠澳大橋へのシフトや、香港情勢の深刻化に伴い香港経由でのマカオ訪問に影響が出たものとみられる。中国本土旅客が全体に占める割合は73.0%。

 その他の国・地域では、人数が多い順に香港が11.5%増の56万7777人、台湾が3.6%増の8万4797人、韓国が28.1%減の4万3322人、フィリピンが33.7%増の3万2967人、マレーシアが0.2%増の1万6675人、日本が34.9%減の1万6667人。

 入境ルート別では、港珠澳大橋が加わったこともあり、陸路が21.6%の大幅増となる245万1233人。陸路の内訳では、マカオ半島北部の關閘が8.8%増の183万3489人、港珠澳大橋が陸路全体の14.2%にあたる34万7959人。一方、港珠澳大橋という新たな競合ルートが現れたこともあり、海路は48.4%の大幅減となる44万0067人にとどまった。空路は11.3%増の31万8451人。日本旅客は空路経由は34.2%増となっていることから、香港からの訪問減が響いたものとみられる。

 今年1〜10月累計の訪マカオ旅客数は前年の同じ時期から15.3%増の3341万2657人。宿泊を伴う旅客は3.9%増の1574万8650人、日帰り旅客は28.0%増の1766万4007人。国・地域別では中国本土旅客が15.9%増の2379万7667人で、全体の71.2%を占めた。その他の国・地域では、人数の多い順に香港が21.2%増の612万7894人、台湾が1.7%増の90万0635人、韓国が2.2%減の65万3155人、フィリピンが42.6%増の34万1998人、日本が0.3%増の25万8373人。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から9.8%増の3580万3663人で、前年に続き過去最多を更新。国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、前年から13.8%増の2526万0556人。中国本土旅客が全体に占める割合は70.6%だった。現状のペースが続けば、11月にも前年実績を上回る見通し。

 なお、マカオのカジノ監理当局DICJが11月1日に公表した資料によれば、今年10月の月次カジノ売上は前年同月から3.2%減となる264.43億マカオパタカ(日本円換算:約3572億円)、1〜10月累計では1.8%減の2467.40億マカオパタカ(約3兆3331億円)で、インバウンド旅客数増による効果は限定的だったことが伺える。

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

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