マカオのカジノ全41施設、15日間の休業はじまる…新型コロナウイルス防疫対策強化で

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府は2月4日、マカオにあるカジノ全41施設を一時休業する発表。具体的には5日午前0時から15日間(2月19日午後11時59分まで)となる。15日後に状況が安定している場合には、速やかに再開するとした。

 マカオのカジノ施設は基本的に年中無休の24時間営業。新型コロナウイルスに対する懸念が高まった今年(2020年)1月上旬以降、段階的に防疫対策を強化しながらも、通常営業を続けてきた。近年、大型台風の襲来時に数日間の閉鎖はあったが、15日間にわたる長期の休業は極めて異例だ。

 今回、政府がカジノ閉鎖に踏みきった背景には、近日マカオにおいてマカオ人の新型コロナウイルス感染確認が相次いだこと、中でも4日午前に9人目の新型コロナウイルス感染が確認されたマカオ人の女性(29)がカジノ運営企業に勤務しており、送迎バスやスタッフ食堂を利用していたことが判明したことが大きかったとみられる。

 1月下旬には観光都市マカオにとって最大の書き入れ時となる春節ゴールデンウィークがあったが、新型コロナウイルスに対する懸念や防疫措置の強化によってインバウンド旅客数が激減。中国本土からの旅客に限ると前年の春節GW比で8割超の減少だった。カジノ売上についても、直近では1日あたり平均5億マカオパタカ(日本円換算:約68億円)程度にとどまっていたという。15日間の休業に伴い、カジノ売上は75億マカオパタカ(約1025億円)程度、カジノ税収は30億マカオパタカ(約410億円)程度のそれぞれ減少が見込まれる。

 マカオにおいて、カジノは最大の産業だ。カジノ税収が歳入の約8割を占め、およそ8万人がカジノ業界で就業している(マカオの総人口は約67万人)。観光業、小売業などで間接的にカジノ産業と関わる人も多い。マカオ政府は今回のカジノの一時休業を前にカジノ運営6社と会議を行った際、休業に伴い出勤できない約4万人のスタッフに対する賃金の保証を取り付けたとした。

 マカオ政府は「市民を守ることが第一」とし、カジノの一時閉鎖という経済的に大きな痛みを伴う防疫策の実施に踏み切った。李偉農経済財政長官は2月4日夕方の記者会見の中で、これまでに積み上げた財政準備が5795億マカオパタカ(約7兆9170億円)に上ることを挙げ、これを活用して経済を安定させる考えを示し、ともに困難な時期を乗り越えようと市民に対して呼びかけた。

 なお、カジノ以外にも競馬・スポーツくじ・中国式ロトのベティングセンター、映画館、劇場、ゲームセンター、インターネットカフェ、ビリヤード場、ボーリング場、サウナ、マッサージ店、美容院、フィットネス、ヘルスクラブ、カラオケ店、バー、ナイトクラブ、ディスコ、ダンスホール、歌舞ホールが2月5日午前0時から15日間営業休止となる。

新型コロナウイルス防疫対策のためマカオの全カジノ施設が一時休業に。シャッターを下ろしたカジノ入口=2020年2月5日午前本紙撮影

【資料】
マカオのカジノ施設における主な新型コロナウイルス感染症防疫対策
・1月上旬〜:カジノ施設のゲスト及び従業員入口に体温測定装置を順次設置
・1月22日〜:カジノフロアでの業務に従事するスタッフのマスク着用義務化
・1月27日〜:入境前14日以内に湖北省滞在歴のあるゲストの入場禁止
・2月1日〜:カジノフロア入場ゲストのマスク着用義務化
・2月4日:カジノ施設の一時休業決定発表
・2月5日:カジノ施設の15日間の休業スタート(2月19日まで)

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