マカオ政府の有償配給用マスク在庫に唾や鼻水ぶちまけた男逮捕…品質に不満で職員と口論の末=貴重な320枚が廃棄に

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 防疫対策の一環として、マスクの着用が挙げられる。マカオでも1月下旬からマスクの品薄状態が続いている。これを受け、マカオ政府は2000万枚を確保し、段階的に市民(マカオ居民及びマカオ就労ビザ保有者)へ有償配給を実施している。有償配給はこれまでに2回実施され、1人あたり10枚1組が原価の8マカオパタカ(日本円換算:約110円)で公立クリニックや薬局等の特設窓口で販売された。

 マカオ治安警察局の発表によれば、第2回のマスク有償配給実施2日目にあたる2月3日午後2時頃、コロアン島の石拝灣地区にある公立クリニックの配給所において、マスク購入者との間でトラブルが発生したとの通報があったという。

 この配給所でマスクを購入したという男が品質に不満があるとしてクリニックの職員に交換を求めたところ、口論に発展した末、男が在庫のマスクに向かって唾や鼻水をぶちまけ、10セット(320枚)が販売不能となり、廃棄処分せざるを得なくなったとのこと。

 その後、警察が捜査に着手し、自称無職の50代のマカオ人の男の逮捕に成功。悪質な上、防疫対策上の影響が甚大であるとなどを鑑み、加重毀損罪で送検するに至ったとした。

 警察では、防疫物資は防疫対策上大変重要なものであるとし、各個人においても破壊や浪費はもちろんのこと、法律違反にあたる行為は絶対にしないよう呼びかけた。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月5日午後2時40分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。

マカオ政府の有償配給用マスク在庫に唾や鼻水ぶちまけたとして逮捕された男(写真:マカオ治安警察局)

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