マカオ、19年通期の犯罪件数は対前年1.3%減の1万4178件

 マカオ保安庁は3月6日、昨年通期(2019年1〜12月)の犯罪統計及び法執行状況報告を公表。マカオにおける犯罪認知件数は前年から1.3%減の1万4178件だった。

 人身侵犯罪、社会生活妨害罪、マカオ特別行政区に対する妨害罪といった犯罪が顕著な減少だった一方、詐欺、窃盗、強盗などを含む財産侵犯罪は0.9%増の8839件に上った。

 ゲーミング(カジノ)関連犯罪は14.5%増の2157件。監禁及びカジノ高利貸し案件において地元市民が加害者、被害者になったケースは極めて少なく、発生場所についても大部分はカジノ施設周辺にとどまっており、目下のところゲーミング関連犯罪がカジノ以外の場所に広がっている形跡はなく、社会治安上の脅威になっているとはいえないとした。

 なお、マカオにおける中国本土出身者が関わった犯罪は3356件、人数にして4520人で、マカオで発生した刑事事件の被害者となった中国本土からの旅客は4703人だったとのこと。中国本土出身者が関わった主な犯罪として、窃盗、監禁、暴利、詐欺などが挙げられ、身分証明書関連犯罪(偽造身分証明書の行使や他人の身分証を使ったなりすましなど)については大半を占めたという。昨年通期の中国本土出身者の入境総数は延べ5450万人だった。

 マカオ保安庁では、警察によるパトロール効率の向上と取り締まり強化の下、昨年のマカオの治安状況は総じて安定したものになったとの見方を示した。昨今、新型コロナウイルス感染症の流行という特殊な状況にあり、社会秩序に与える影響を注視しているとした。新型コロナの影響によるこのところのインバウンド旅客数の大幅に減少については、収束後に上昇に転じる見込みであるとし、引き続き状況に応じた社会治安の安定と秩序維持に務めるとした。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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