新型コロナ、外国からの帰国・入境者の感染率は約0.84%…マカオ政府が実例ベースに算出

 中国・湖北省武漢市での集中発生に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染が拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。3月中旬以降、マカオ政府は輸入症例に対する警戒を強めており、水際対策の強化が進んでいる。

 マカオでは、水際対策の一環として、流行国・地域からの入境者に対して14日間の隔離検疫(政府指定場所における14日間の医学観察)を実施している。対象となる国・地域は現時点で中国本土を除く世界全体に広がっている。(*中国本土については別の措置を講じている)

 マカオにおける新型コロナの感染確認は3月15日まで40日連続でゼロだったが、以降は約半月で31人に上り、累計41人となった。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済み。3月中旬以降に確認された患者31人については、すべて中国以外の外国からの輸入症例となっている。

 政府新型コロナウイルス感染症対策センターが4月2日午後5時から開催した定例記者会見の中で、3月中旬以降に外国から帰国・入境した隔離検疫の対象者は3694人おり、この期間の新規感染確認数は31人(すべて輸入症例)であったことから、感染率はおよそ0.84%になると発表。今後、隔離検疫中の人の中から新規感染確認が出る可能性もあるが、数字は概ね0.84%前後に収まる見通しとした。なお、同日時点で隔離検疫期間中という人の数は2317人いるとのこと。

 3月中旬以降に確認された新規感染者の帰国・入境元で最も多かったのは英国で15人で、フィリピンの6人、米国の4人がそれに続いた。その他はポルトガル、インドネシア、スペイン、アイルランド。英国はマカオからの留学生が多く滞在しており、帰国者に占める割合が大きかったため最多になったという。

 これまでのところマカオでは市中感染が確認されておらず、状況に応じて適宜強化されている水際対策の効果が現れているといえる。

4月2日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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