マカオのタイパフェリーターミナルが陸海空の交通ハブに…空港第2旅客ターミナルとヘリポート併設へ

 マカオの主要な空の玄関口となるマカオ国際空港。昨年(2019年)の年間旅客数は対前年16%増の延べ960万人超に達した。年間旅客数が前年を上回るのは2012年以来8年連続、開港以来最多記録の更新は2015年から5年連続のこと。

 現時点でのマカオ国際空港の年間旅客輸送量キャパシティは延べ約780万人で、すでに飽和状態となっている。今年3月、旅客ターミナルビル南側の拡張工事がスタートし、2021年中頃に落成予定。これによってキャパシティは延べ1000万人に増強される見込みだ。

 マカオ政府は今年(2020年)4月、空港に隣接するタイパフェリーターミナルの一部を転用して空港第2旅客ターミナルを設置する計画を発表。6月9日に開催されたマカオ立法会の土地及び公共事業監視委員会において、より具体的な構想が明らかとなった。

 空港第2旅客ターミナルはタイパフェリーターミナルの東側に設置する計画。延べ床面積は全体の約1割にあたる約2万平米で、少なくとも4社の移転を見込み、チェックインカウンターの数は12〜16、搭乗待合室と搭乗口の数は4とした。タイパフェリーターミナルと空港の制限エリア間には660メートルの専用道路を整備するとのこと。このほか、タイパフェリーターミナルの屋上にヘリポートも設置するという。

 マカオ政府運輸・公共事業庁のライムンド・アライス・ド・ロザリオ長官は会議終了後の会見で、タイパフェリーターミナルは空港、ヘリポート、高速船、LRT(新交通システム)が集まり、さらには計画中の橋を経由して港珠澳大橋人工島とも繋がることから、将来的にマカオの陸海空の大型交通ハブとして機能すると期待を示した。

 なお、空港第2旅客ターミナルの運用開始時期及び予算規模については4月時点と同様に未定とした。

 マカオ国際空港はタイパ島の北東部にあり、ポルトガル統治時代の1995年に開港した。現在は東北及び東南アジアとの短距離路線が主で、LCCの誘致に積極的なことでも知られる。タイパフェリーターミナルは2017年6月の開業。香港、広東省各地との間を往来する高速船が発着する。

マカオ・タイパ島の北安地区にあるタイパフェリーターミナル(資料)-本紙撮影

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