コロナ禍のマカオ、20年第2四半期の小売業販売額が対前年61.3%減の約917億円に…インバウンド依存度高い国際観光都市

 マカオ政府統計調査局は8月24日、今年第2四半期(2020年4〜6月期)のマカオの小売業販売額調査結果を公表。

 マカオでは1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として厳格な入境制限が講じられた結果、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度が高い国際観光都市とあって、経済は大きな打撃を受けている状況だ。

 今年第2四半期の小売業販売総額は前年同時期から61.3%減の69.2億マカオパタカ(日本円換算:約917億円)にとどまり、価格要素を除いた販売量指数も61.5%の下落だった。

 前年同時期の小売業販売額の比較では、時計・宝飾品が87.3%、革製品が72.8%、百貨商品が71.7%のそれぞれ大幅減。一方、スーパーマーケット商品は13.7%増、大型リテールショップ(註:マカオ初となる「イケア」)のオープンにより、家具・照明用品の販売額は91.3%増に。販売量指数については、時計・宝飾品が89.0%、革製品が72.2%、百貨商品が70.2%、成人ファッションが67.3%のそれぞれ大幅下落だったが、スーパーマーケット商品は12.7%の上昇。今年上半期累計の小売業販売額は前年同時期から52.8%減の180.8億マカオパタカ(約2395億円)、販売量指数は52.7%下落。

 また、今年第1四半期(修正後数値)との比較における第2四半期の小売販売額は38.0%減。このうち、時計・宝飾品が74.1%、革製品が52.9%、成人ファッションが52.3%のそれぞれ減。販売量指数も39.0%の下落で、時計・宝飾品が76.2%、革製品が53.4%下落、成人ファッションが51.7%のそれぞれ下落、自動車用燃料は6.6%上昇。

 今年第3四半期の販売量の見通しについて、調査対象となった小売店の72.1%が前年同期から減少、20.2%が変わらず、7.7%が増加見込みと回答。また、商品の販売価格については76.7%が据え置き、18.5%が下落、4.8%が上昇見込みとした。このほか、第2四半期と比較した第3四半期の経営状況については、51.6%が悪化、28.0%が安定継続、20.4%が良化するとの見通しを示した。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年7月5日本紙撮影

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