マカオ、2020年4Qの旅客総消費額は対前年63.8%減…コロナ禍でインバウンド旅客数低迷=1人あたり平均は77.3%増の約4.1万円に

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 一昨年(2019年)通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は3940万6181人で、前年から10.1%増。このうち中国本土旅客は10.5%増の2792万3219人で、全体の70.9%を占めた。年間訪マカオ旅客数が3000万人の大台を突破するのは6年連続のこと。

 しかしながら、昨年(2020年)は1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環で入境制限を含む厳格な水際措置が講じられた影響でインバウンド旅客数は激減。マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことから、第3四半期以降に両地の間の往来制限は段階的に緩和されたものの、通期のインバウンド旅客数は前年から85.0%減の589万6848人にとどまった。

 マカオ政府統計調査局は2月2日、昨年第4四半期の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。インバウンド旅客数が前年同時期から79.6%の大幅減となる187万7744人となった中、旅客総消費額は63.8%減となる58.8億マカオパタカ(日本円換算:約776億円)に。内訳は宿泊を伴う旅客が58.3%減の52.4億マカオパタカ(約692億円)、日帰り旅客が82.7%減の6.4億マカオパタカ(約84億円)。いずれも第3四半期から大幅に改善した。

 一方、昨年第4四半期の旅客1人あたりの平均消費額は前年同時期から77.3%増となる3129マカオパタカ(約4万1300円)に。中国本土旅客については61.6%増の3255マカオパタカ(約4万3000円)で、中国本土の個人旅客に限ると1.8倍増の6724マカオパタカ(約8万8800円)に達した。宿泊を伴う旅客は77.8%増の5125マカオパタカ(約6万7700円)、日帰り旅客は2.0%減の744マカオパタカ(約9800円)。

 消費分類別では、ショッピングが全体の64.2%を占めた。旅客1人あたり平均のショッピング消費額は1.6倍増の2008マカオパタカ(約2万6500円)で、購入品目は化粧品・香水が1.2倍増の795マカオパタカ(約1万0500円)、衣料品が4.3倍増の363マカオパタカ(約4800円)、ハンドバッグ・靴類が6.6倍増の317マカオパタカ(約4200円)。渡航目的別ではカジノ遊びを目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高く、14.3倍増の6835マカオパタカ(約9万0200円)に上った。以下はバケーションが1.4倍増の5981マカオパタカ(約7万9000円)、ショッピング目的が41.1%増の3849マカオパタカ(約5万0800円)の順。

 2020年通期の旅客総消費額は前年から81.4%減となる119.4億マカオパタカ(約1576億円)。内訳は宿泊を伴う旅客が80.4%減の97.9億マカオパタカ(約1293億円)、日帰り旅客が84.8%減の21.5億マカオパタカ(約284億円)。旅客1人あたりの平均消費額は24.5%増となる2025マカオパタカ(約2万6700円)。中国本土旅客に限ると22.8%増の2252マカオパタカ(約2万9700円)。宿泊を伴う旅客は29.3%増の3468マカオパタカ(約4万5800円)、日帰り旅客は3.0%増の700マカオパタカ(約9200円)。旅客1人あたり平均のショッピング消費額は51.1%増の1122マカオパタカ(約1万4800円)で、購入品目は化粧品・香水が64.6%増の420マカオパタカ(約5500円)、食品系土産が2.1%増の224マカオパタカ(約3000円)。渡航目的別ではバケーションを目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高く、48.8%増の3376マカオパタカ(約4万4600円)。コンベンション目的は17.6%減の3117マカオパタカ(約4万1100円)に。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所の世界遺産・セナド広場=2020年7月19日本紙撮影

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