香港、3/10の新型コロナ新規感染確認数8人…2日ぶり1桁台=ワクチン接種対象拡大、欧州製の接種もスタート

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、3月10日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から13人減の8人だった。1桁台となるのは2日ぶり。内訳は市中感染が2人減の6人、輸入性が11人減の2人(いずれもフィリピンから)。市中感染のうち感染経路不明は横ばいの3人で、11日連続で1桁台を維持している。

 感染経路不明のうち1人は香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」のトレーナーで、直近の出勤日は9日だったとのこと。香港衛生当局によれば、この施設のスタッフと利用客の9人が初歩感染確認されており、関連の有無を調査中という。また、流行疫学調査及び接触者の追跡のため、3月1日から10日の間に同施設を訪れた人に対し、当局へ連絡するよう呼びかけを行った。

 最近の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあるが、依然として市内各所で集団感染(クラスター)の発生や感染連鎖が続いている状況。感染経路不明も毎日のように一定数が確認されていることから、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性も指摘されている。香港は人口密度が高く、交通機関も発達しており、エリアを跨ぐ人の移動が多い土地柄。

 過去14日間累計では、新規感染確認が224人で、その約76%を占める市中感染171人のうち感染経路不明は59人。ここまでの香港における累計感染確認数は1万1129人、退院者数は1万0675人、死者数は203人。

 香港では、2月26日から新型コロナワクチンの接種計画がスタート。目下、高リスク群を対象とした接種が進められているが、3月9日から対象範囲が拡大された(*別記資料参照)。また、これまで中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンの1種のみが使われていたが、9日からはドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートした。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

【資料】3月9日から新たに優先接種グループに加わるカテゴリー
・飲食店、市場、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、配達業者(含むフード・デリバリー)の関係者
・交通機関の職員(タクシー、バス、駅員等)
・建設業関係者
・施設管理の関係者(警備員、清掃員等)
・学校教職員(幼稚園、小・中学校、大学、特別学校、スクール・バス運転手等)
・観光業関係者
・飲食店等各種施設に対する規制に関する規則(香港法令第599F章)に関連する施設の従業員(フィットネスセンター、エステティックサロン等)
*2月26日から優先接種グループに指定されているカテゴリーは保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等

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