マカオの人口密度2.08万人に、香港や東京の約3倍の超過密状態も新型コロナ市中感染1年以上ゼロ維持…2020年

 マカオ政府統計調査局は4月20日、2020年環境統計を公表。同年のマカオの陸地面積は前年から横ばいの32.9平方キロ(東京の山手線の内側のおよそ半分に相当)、1平方キロあたりの人口密度は400人(2.0%)増となる2万0800人だった。

 マカオは中国大陸と陸続きのマカオ半島、離島のタイパ島とコロアン島、タイパ島とコロアン島の間を埋め立て造成したコタイ地区で構成されるが、居住エリアはマカオ半島とタイパ島の一部に集中している。

 アジア有数の観光都市であり、新型コロナウイルス感染症の流行前にあたる2019年の訪マカオ(インバウンド)旅客数は過去最多となる3940万人超に達し、体感的な人口密度はより高く感じられたが、昨年は厳格な水際措置が講じられたことを受けて旅客数が激減し、以前のような観光名所周辺の大混雑は出現しなかった。

 同局が3月8日に公表した2020年第4四半期の人口統計によると、同年12月末時点におけるマカオの人口は前年の同じ時期から0.5%増の69万3100人。ポルトガルから中国へ返還された年にあたる1999年12月末の43万8000人から大幅増となっている。

 マカオは極めて規模の小さい地域であるため、人口密度を他の国や地域と単純比較するのは難しいが、世界的に極めて人口密度が高い地域とされる香港や東京都のおよそ3倍となっている。

住宅が密集するマカオ半島の町並み(資料)=2020年7月本紙撮影

 このほか、2020年のマカオの平均気温は23.3℃で、1952年の観測開始以来最も温暖だった前年から0.3℃下落。最高気温は7月に記録した35.5℃で、前年から0.2℃低かった。最低気温は12月に記録した6.7℃で、同1.7℃低かった。年間総雨量は534.8ミリ減の1713.2ミリ。

 環境統計では、インバウンド旅客の減に伴い、水の使用量やゴミの排出量が減った状況も明らかとなった。

 2020年の年間の水の総使用量は前年から7.9%減の8551万5000立方メートルで、内訳は家庭用が9.4%となった一方、事業用が22.3%減、公共機構用が5.7%減に。汚水処理施設の1日平均処理量は6.7%減の20万8508立方メートル。ゴミ処理場における年間の都市固形廃棄物処理量は19.8%減の43万7592トン、埋立地に搬入された建築廃棄物については66.0%増の397万4000立方メートルだった。

 極めて過密状態にあるマカオでは、昨年1月下旬から徹底した防疫対策が講じられている。4月20日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計49人。内訳は域外からの輸入性が47人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は387日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。すでに中国本土との間では往来制限の緩和が進み、PCR検査陰性証明の提示などの条件をクリアすれば隔離検疫免除で往来可能な状況。中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でもゼロを維持できていることから、水際措置が機能しているといえる。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun