マカオ、407日連続で新型コロナ市中感染例なし…累計患者数49人、死亡例ゼロ=大規模ワクチン接種ステーション開設準備進む

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは5月10日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。同日までマカオの市中における新型コロナの感染確認は輸入性または輸入関連性事案のみで、市中における感染伝播事案は出現していない。市中感染確認例は無症状感染者を含めて407日連続ゼロとなった。輸入性事案は27日連続ゼロ。

 これまでの累計感染確認者(患者)数は49人で、47人が域外からの輸入性、2人が輸入関連性事案。院内感染、死亡例ともゼロを維持している。

 目下、入院患者数はゼロで、患者49人全員が治癒し退院済み。コロアン島にある公共衛生臨床センター(新型コロナ指定医療機関)には高リスク地域からの入境者7人が収容されており、医学観察(隔離検疫)を行っているとのこと。加えて、9日時点で1370人が政府指定ホテルで医学観察(隔離検疫)中。

 マカオでは、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。外国人の入境禁止措置も継続中(3月16日からマカオで発給された中国ビザを利用して中国本土を訪れた場合の再入境は措置の対象外に)。中国本土との往来制限緩和後も市中感染は出現しておらず、各種防疫措置が機能しているといえる。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2021年5月10日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタートした。その後、同月22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)へ、3月9日からマカオで就労する海外労働者やマカオの学校に通う非居民の学生らへ、4月9日からは海外労働やの家族、領事職員、就労ビザが切れたものの帰国できず滞在している人など上記以外の合法的常住者(過去6ヶ月内の過半をマカオに滞在した上で条件を満たした場合)へも拡大されている。現在、マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)と中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(ドイツ製)の2種。

 10日午後4時までの累計ワクチン接種本数は12万0294本で、接種人数は7万8460人、2回目の接種を済ませた人は4万1989人。

 ワクチン接種後の異常については、累計で548件報告されており、めまいや微熱など軽微な事案が546件、重大な事案が2件(いずれもビオンテック製ワクチンの接種者)。

 マカオ政府はシノファーム製、ビオンテック製に加え、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)の計150万本を確保済み。アストラゼネカ製のワクチンについては、現状の接種の進行状況と2種のワクチンの在庫及び供給予定を鑑み、年内の供給を見合わせることを発表済み。

 目下、マカオでは市内にある複数の医療機関及びクリニックで新型コロナワクチンの接種が実施されており、大学や大企業を対象にした臨時接種会場の展開も行われている。この日の会見では、マカオ半島にあるマカオフォーラムに大規模なコミュニティ接種ステーションの開設準備を進めていることも明らかにされた。1日あたり2000人分の接種枠を提供できる見込みで、早期の運用開始を目指すとしている。これまでのところ、マカオにおける新型コロナワクチン接種率は低水準にとどまっているが、マカオでは新型コロナ流行の封じ込めに成功している状況で、切迫性がないためとみられる。大規模接種ステーションの開設のほか、ワクチン2回接種を条件に防疫措置上の優遇策を用意することも検討しているとされ、接種率向上につながる可能性がある。

 なお、ワクチン接種はあくまで希望制であり、在庫がある状況下において複数のワクチンの中から自由に選択できるとされている。これまでのところ、シノファーム製が84%とのこと。接種費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。

 マカオ政府が確保したワクチンはいずれも2回接種が必要なものだが、マカオの総人口は約69万人のため、充足しているといえる。

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