マカオが台湾からの入境者に対する水際措置を強化…21日間の隔離検疫期間満了後に7日間の自己健康管理期間を設定=新型コロナ流入予防策

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 世界各地における変異株ウイルスの出現や、マカオに近接し往来も頻繁な広東省及び多くのマカオからの留学生が滞在する台湾における再流行を受け、このところマカオでは水際措置の強化、域内における防疫措置の引き締めが進んでいる。

 マカオ政府衛生局は6月10日午後の政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる合同記者会見において、同月11日から直近21日間に台湾滞在歴のある入境者に対し、マカオ到着後21日間の隔離検疫に加え、隔離検疫期間満了後7日間の自己健康管理期間を設定すると発表。自己健康管理期間中は「健康コード」(衛生局の特設サイトで直近の渡航歴や健康状況を申告することで生成される2次元バーコード)が「黄色」となり、厳格な個人防疫措置を講じることが求められるほか、公共交通機関の利用などが制限される。入境後27日目にPCR検査を受ける必要があり、結果が陰性であれば自己健康管理期間が解除となり、健康コードも出入り制限などがない「緑色」に変更となる。

 マカオでは6月9日、5月30日に留学先の台湾から戻った男子学生(21)が隔離検疫期間中に感染確認(輸入性)されたばかり。変異株に感染していたことも判明した。また、10日には5月21に台湾から入境した貿易会社の男性社員(38)が隔離検疫期間中に血清IgM検査で陽性となり、感染歴があり、再発の可能性があることから、隔離検疫用ホテルから医療機関に移送されたことも明らかとなっている。

 目下、マカオにおける隔離検疫期間は入境前の滞在地によって、14日間、21日間、28日間となっている。また、入境前の滞在地によっては、隔離検疫期間満了後の14日間あるいは7日間についても自己健康管理期間が設定される。台湾の場合、5月16日から隔離検疫期間が14日間から21日間に延長となり、今回新たに自己健康管理期間が追加されたかたち。

 6月10日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計52人。内訳は域外からの輸入性が50人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は438日連続ゼロと封じ込めに成功している状況で、水際措置が機能しているといえる。院内感染、死亡例についてもゼロ。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる合同記者会見=2021年6月10日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、今年(2024年)4月の月次カジノ売上(粗収益、…
  2.  マカオでは例年通り5月1日に海開きを迎えた。10月31日までがマカオの遊泳シーズンとなる。 …
  3.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…
  4.  香港衛生署衛生防護センターは4月30日の会見において、季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun