マカオ、市民向け現金配布15年連続実施へ…2022年度予算案に盛り込む

 世界一のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。

 しかしながら、コロナ禍でカジノ売上は低迷していることを受けて、カジノ税収も低迷。2020年、2021年度と2年連続で財政準備からの切り崩しで赤字の補填が行われ、緊縮財政が敷かれている中でも、現金配布は維持されてきた。
 
 11月5日、マカオ政府が立法会に提出する2022年度財政予算案の内容が明らかとなった。外部経済環境の不確定性が以前大きい中、歳入は保守的な見通しとし、3年連続で財政準備からの切り崩しによる赤字補填を要するものだが、現金配布を含む各種福利策が盛り込まれたことで、現金配布は15年連続で実施される公算。

 福利策に関する予算が約204億マカオパタカ(日本円換算:約2892億円)に上る一方、財政準備からの切り崩しは約303億マカオパタカ(約4295億円)に。カジノ税収の算出根拠となるカジノ売上見通しについては、2021年度と同じく1300億マカオパタカ(約1兆8429億円)とされた。ただし、2021年度のカジノ売上は予算を下回って推移しており、未達となる可能性が高いとみられる。

 現金配布は例年7月から9月にかけて実施されるが、2020年度と2021年度は新型コロナ経済対策の一環として、それぞれ3ヶ月前倒しで実施された。支給対象は前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者(所得や年齢の条件はない)で、約69万人。支給金額は前者が1万マカオパタカ(日本円換算:約14.2万円)、後者が6000マカオパタカ(約8.5万円)。支給額はいずれもコロナ前の2019年から据え置き。2022年度の支給額は未発表だが、予算規模からは同程度になるものと推測される。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

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