中国本土、新型コロナ新規市中感染確認13人…広東省で6日連続、広西チワン族自治区にも波及=2/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認は13人(前日から4人増)だったとのこと。内訳は広西チワン族自治区6人(百色市)、天津市2人(河北区)、河北省2人(廊坊市)、北京市1人(朝陽区)、湖南省1人(邵陽市)、広東省1人(恵州市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは113日連続。市中感染確認数は前日に昨年11月27日以来の1桁となったが、再び2桁に。市中の無症状感染例については2日連続ゼロだった。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、断続的に市中感染確認が続いている。1月上旬から中旬にかけて、珠江東岸(香港寄り)の深セン市及び珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市で、それぞれ発端をことにするオミクロン変異株の市中伝播が出現。これらは一旦落ち着いたとみられるが、深セン市で1月31日におよそ3週間ぶりとなる新規市中感染確認例が1人出現して以降、2月5日まで6日連続で同市及び省内各地で複数の感染確認及び無症状感染が相次ぎ見つかっている。ただし、いずれも最初の患者の密接接触者など重点検査対象者で、同一伝播チェーン上にあるものとされる。今回、深セン市から省内各地に拡散したウイルスはオミクロン変異株亜種のBA.2で、海外から流入したウイルスが発端(北米地域からデータベースに登録されたものと一致)とされるが、依然として具体的な発端は不明。また、広東省の南に隣接する広西チワン族自治区で新たに複数人の市中感染確認例が出現しており、深セン市滞在歴がある患者と、その密接接触者という。

 2月5日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1510人(うち輸入性が694人)で、重症者は6人(うち輸入性1人)。無症状の患者855人(輸入性747人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日夜に開幕式が開催された北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月5日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月4日までの五輪関係者の累計陽性者数は353人(うち選手及び選手団随行メンバー136人)。2月4日単日では45人(同25人)だった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 このほか、マカオ特別行政区では2月5日まで119日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。感染経路不明のケースも増加の一途にあり、政府は流行開始2年来で最も深刻との見方を示し、緊張状態が続いている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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