香港、新型コロナ新規市中感染確認607人…流行後最多を再更新、7割強が感染経路不明=2/7

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。近日、市中における新規感染確認数が急増、その多くが感染経路不明となっている。

 香港衛生当局の発表によれば、2月7日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は614人で、内訳は市中が607人、輸入性(海外からの入境者)が7人。市中のうち感染経路不明が7割強にあたる約450人に上った。単日の新規感染確認数は流行開始以来の最多を再更新(従来の最多は2月5日の343人)。市中感染確認例の大半がオミクロン変異株感染疑いで、デルタ変異株疑いは31人という。

 さらに、初歩陽性者が約600人いるとのこと。ただし、6日夕方時点では初歩陽性者約300人とされたが、7日は結果的に600人超の感染確認に至っており、香港衛生当局は7日夕方の会見において、明日(8日)の感染確認数が800人に達するとの見通しを示し、市民に対して蔓延防止のため不要不急の外出を避けるよう、あらためて協力を呼びかけた。

 香港衛生当局によれば、7日の新規感染確認例の大部分が春節(旧正月)にかけての食事会や挨拶訪問と関連して複数の家族に伝播したものとのこと。感染経路不明事案については、販売員、清掃員、警備員、建築作業員といった人と接する機会が比較的多い職業が主という。情勢の変化を鑑み、2月8日から検疫施設の収容対象、無症状・軽症患者の隔離運用を一部変更することも明らかにされた。

 香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人、下水から陽性反応が検出されたエリア等が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めなどの策も講じられている。

 このほか、香港の2月6日午後8時時点のワクチン接種率は80.1%(1回目の接種完了)、72.1%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したなどを受けて、年初から上昇傾向が続いている。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げている。

新界・屯門地区にある団地の1棟の住民を対象とした強制検査の受検確認作業の様子=2022年2月7日(写真:news.gov.hk)

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