中国本土、新型コロナ新規市中感染確認56人…広西チワン族自治区と遼寧省が主=2/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認は56人(前日から49人増)だったとのこと。内訳は、広西チワン族自治区33人(百色市)、遼寧省22人(葫芦島市21人、瀋陽市1人)、貴州省1人(銅仁市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは118日連続。2日ぶりに2桁台となった。市中の無症状感染例については5日連続で出現し、遼寧省2人(瀋陽市)、黒竜江省2人(黒河市)、江蘇省1人(蘇州市)の計5人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認が続いていたが、2月7日に8日ぶりに省内における市中感染確認例がゼロとなり、10日まで4日連続ゼロを維持。ただし、広東省の南に隣接する広西チワン族自治区の百色市を中心に近日新たな再流行が出現。同市で最初に見つかった患者は深セン市滞在歴があったとされる。同市では、2月6日から全市で不要不急の外出を制限する措置などの蔓延防止策が講じられている。同自治区の今回の再流行は同じオミクロン株の伝播チェーンで、累計感染確認数は220人。遼寧省ではこれまでも省外から戻った人やコールドチェーン物品外装に付着したウイルス等を発端とする再流行がしばしば発生している。今回の再流行については葫芦島市が中心で、最初に見つかった患者のウイルス型が先に黒竜江省綏芬河市で先に確認されたものと一致したことが判明し、春節(旧正月)シーズンに帰省した人をきっかけに近所や訪問先の親戚に伝播したものとされている。すでに接触者の追跡が進み、コントロール可能な状況とのこと。

 2月10日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1424人(うち輸入性が636人)で、重症者は5人(うち輸入性1人)。無症状の患者832人(輸入性746人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月10日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月9日までの五輪関係者の累計陽性者数は407人(うち選手及び選手団随行メンバー169人)。2月9日単日では9人(同7人)だった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 このほか、マカオ特別行政区では2月10日まで124日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。単日感染確認数は2月9日に流行開始以来の最多を3日連続更新する1000人超となり、第5波下で初の死亡例(2人)も確認された。10日についても986人と高位が続き、死亡例は1人増えて計3人に。感染経路不明のケースも累積している。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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