中国本土、新型コロナ新規市中感染確認46人…遼寧省と江蘇省が主、広東省では4日連続=2/15

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認は46人(前日から6人増)だったとのこと。内訳は、江蘇省19人(蘇州市18人、南通市1人)、遼寧省15人(葫芦島市)、内モンゴル自治区7人(フルンボイル市5人、フフホト市2人)、広東省3人(深セン市)、広西チワン族自治区2人(百色市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは123日連続。市中の無症状感染例については4日連続で出現し、江蘇省3人(無錫市2人、蘇州市1人)、広東省1人(広州市)、雲南省1人(文山チワン族ミャオ族自治州)の計5人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。近日は一旦落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は15日まで4日連続。15日に深セン市で感染確認された3人のうち2人は隔離検疫ホテルのスタッフで、先に感染確認された患者の密接接触者とのこと。残る1人は羅湖区にあるショッピングセンターのスタッフで、定例検査を経て発見に至ったもの。同市の直近の流行で最初に感染確認された3人はオミクロン変異株亜種のBA.2感染で、同一伝播チェーン上にあるという。広州市の無症状感染者は国際フライト関連従事者で、1月初旬から閉塞管理区域内で生活しており、市街には出ていないとのこと。遼寧省ではこれまでも省外から戻った人やコールドチェーン物品外装に付着したウイルス等を発端とする再流行がしばしば発生している。今回の再流行については葫芦島市が中心で、最初に見つかった患者のウイルス型が先に黒竜江省綏芬河市で先に確認されたものと一致したことが判明し、春節(旧正月)シーズンに帰省した人をきっかけに近所や訪問先の親戚に伝播したものとされている。近日、江蘇省の蘇州市でも新たにオミクロン変異株の伝播が出現し、感染感染確認数の増が続く状況。

 2月15日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1419人(うち輸入性が721人)で、重症者は7人(うち輸入性1人)。無症状の患者751人(輸入性674人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月15日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月14日までの五輪関係者の累計陽性者数は433人(うち選手及び選手団随行メンバー183人)。2月14日単日では1人(同ゼロ)だった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月15日まで128日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。単日感染確認数は2月14日に流行開始以来の最多の2071人を記録し、15日も1619人となるなど、高位が続く状況。2月に入って以降、深セン市では香港から到着した貨物車の運転手の感染確認例が相次いでおり(2月4日以降の累計47人)、物流面での影響も生じている。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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