マカオのギャンブル業における人材需要低迷続くも平均月給は1.1%増=2021年第4四半期

 マカオは面積約32平方キロ、人口約68万人という小さな地域(中国の特別行政区)だが、およそ40軒のカジノ施設が軒を連ねるほか、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は3月7日、昨年第4四半期(2021年10〜12月期)のゲーミング(ギャンブル)業における人材ニーズ及び給与調査統計を公表した。なお、本統計の調査対象にはカジノ仲介業及びカジノ仲介業パートナーは含まれない。

 昨年第4四半期末時点のフルタイムのゲーミング業従事者数は前年同時期から1774人減(3.1%減)の5万4839人。カジノディーラー職に限ると758人減(3.0%減)の2万4406人だった。サービス・販売職についても410人減(7.7%減)の4899人。

 昨年12月のフルタイムのゲーミング業従事者の平均月給(賞与等臨時給含まず)は前年同月から1.1%増の2万3700パタカ(日本円換算:約33.4万円)。カジノディーラー職に限ると1.1%増の2万0020パタカ(約28.2万円)。

 昨年第4四半期末時点における空きポジションは前年同時期から32枠増の58枠。

 求人条件については、要業務経験が41.4%、要高等教育学歴が27.6%。また、要中国語(いわゆる北京語)と要英語がそれぞれ98.3%、81.0%。

 昨年第4四半期の新規雇用者数は128人、従業員雇用率は前年同時期から0.1ポイント下落の0.2%、離職者数は521人、離職率は0.1ポイント下落の0.9%、欠員率は0.1%にとどまり、依然として業界における人材需要が低い状況を維持していることを反映している。

 なお、昨年第4四半期のマカオの人口は68.32万人(期末)、労働人口は38.90万人、就業人口は37.71万人、総体失業率は3.1%。ゲーミング業従事者がマカオの総人口に占める割合は単純計算で8.0%、就業人口の14.5%となる。平均月収については、昨年第4四半期のマカオの就業人口全体の月給中位数である1万5800パタカ(約22.3万円)を大きく上回った。

 マカオでは、2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数の激減が続き、カジノ売上も低迷を余儀なくされている。2020年通期のカジノ売上は前年比79.3%減の大幅な落ち込みとなったが、中国本土との往来制限緩和を受けて、2021年は43.7%増に。ただし、コロナ前の2019年との比較では約3割にとどまる。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

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