香港、新型コロナ新規感染者数は8841人…約1ヶ月ぶり1万人以下、第5波累計は約110.7万人=3/26

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月26日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から1564人減(15.0%減)の8841人(輸入性6人含む)とのこと。1万人を下回ったのは2月25日以降初めて。第5波開始以来の累計感染者数は約110.7万人。

 新規死亡確認数は139人で、第5波開始以来の累計死亡者数は6886人、総体死亡率は前日から0.01ポイント上昇の約0.62%に。このところは総体死亡率がじわじわと上昇を続けている。

 目下、感染確認された約1万人が公立病院またはアジアワールドエキスポなどのコミュニティ治療施設で治療を受けており、このうち危篤状態が51人、重症が60人とのこと。

 当局では、新規感染確認数は前週との比較で下落しており、すでにピークは過ぎたとみられるが、単日で1万人近い数は依然として非常に多いとの認識を示し、市民に対して流行は終息しておらず、引き続きソーシャルディスタンス措置を維持し、検査受検意欲を低下させないよう呼びかけた。

 2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している状況。患者に対する米国製の2種の経口治療薬の使用も始まっている。

 香港の3月25日午後8時時点のワクチン接種率は91.8%(1回目の接種完了)、83.5%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は59.2%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。25日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万7048回で、7日移動平均は5万9673回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.5%)と80歳以上(57.1%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局は10月23日夜、マカオ域内で今年初めてとなる当地デング熱感染例を確認したと発表…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月23日夜、マカオで今年(2024年)8例目となる在郷軍人病(退…
  3.  マカオ司法警察局は10月22日、マカオに所在する複数の質店を訪れ、人工ダイヤモンドを天然と偽って…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  このほどマカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が公表した資料によれ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun