香港の新型コロナ新規感染者数7596人、4日連続1万人以下…第5波累計約113万人、死亡者は7358人に=3/29

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月29日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から89人減(1.2%減)の7596人とのこと。4日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約113万人に。

 新規死亡確認数は医管局報告(遅延報告分含む)と医管局以外からの報告を合わせて149人で、第5波開始以来の累計死亡者数は7358人(死亡者のうち約55%が高齢者介護施設の入所者、約95%が60歳以上)となった。総体死亡率は約0.65%に上昇。ワクチン接種歴別では、未接種が3.05%、1回接種が0.87%、2回接種が0.13%、3回接種が0.03%とのこと。死亡率の高さについては、分母が検査を経た報告ベースの感染確認数となっており、実際の感染数との差異がある(実際にはより多くの感染者がいると見込まれる)ためとの指摘もある。

 当局では、目下の単日の市中感染確認数は7000人を上回っており、依然として高水準であるとの認識を示し、今後も減少が続くか横ばいとなるかは予想し難いとした。また、流行の趨勢は人流と関連するため、今後市中における人流が増えれば再び流行が拡大する可能性も高くなるとし、市民に対してパブリックホリデー期間中はできるだけ人出の少ないところを訪れるよう呼びかけた。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開されている。

 香港の3月28日午後8時時点のワクチン接種率は91.9%(1回目の接種完了)、84.1%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は60.0%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。28日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は5万1740回で、7日移動平均は5万7006回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.6%)と80歳以上(57.4%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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