香港の新型コロナ新規感染者数2492人、7日連続5千人以下…第5波累計約117.3万人、死亡者数は8430人に=4/8

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月8日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から152人減(5.7%減)の2492人(輸入性8人含む)とのこと。3日連続下落となり、7日連続で5千人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約117.3万人。

 死亡者数は医管局の直近24時間報告分が70人と遅延報告分が15人、医管局以外からの報告分(私立病院)が1人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8430人となり、総体死亡率は前日から0.01ポイント上昇の0.72%に。

 8日から10日までの3日間、香港の全市民を対象としたスピード抗原検査計画(強制ではなく参加は個人の意思に委ねられる)が実施される予定で、これまでに検査キットなどが入った防疫サービスパックの配布作業が進められてきた。8日夕方の会見時点で、すでに続々と陽性の報告が入っているとし、明日以降の新規感染者数の動向が気がかりだ。

 当局では、直近2〜3週間は流行が縮小傾向を維持しているとの見方を示した上、単日2000〜3000人の新規感染者が出現している状況は、市中に潜在的な伝播チェーンが依然として存在していることを反映したものであり、市民に対してスピード抗原検査計画に参加するとともに、人が集まる機会を減らすよう呼びかけた。

 香港大学が市中に存在する潜在感染者は約3万人に上るとする研究データを公表しており、8日午前の行政長官臨席の会見においても、スピード抗原検査計画を通じ、市中における潜在感染者の早期発見によって、潜在的な伝播チェーンを断ち切ることにつながると期待が示された。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。

 香港の4月7日午後8時時点のワクチン接種率は92.3%(1回目の接種完了)、85.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は61.8%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。7日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は3万3037回で、7日移動平均は3万4223回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.3%)と80歳以上(58.9%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

 このほか、香港政府は4月8日、同日から3回目の接種を受けて満3ヶ月が経過した60歳以上の人について、4回目の接種が可能になったと発表。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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