中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.5万人…上海市が2.3万人超、ロックダウン続く=4/8

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月9日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月8日の中国本土における新規市中感染確認は1334人(前日から206人減)だったとのこと。内訳は、上海市1015人(浦東新区348人、嘉定区116人、徐匯区114人、松江区107人、閔行区61人、金山区45人、黄浦区42人、静安区39人、宝山区30人、青浦区24人、長寧区22人、普陀区21人、虹口区18人、奉賢区13人、楊浦区12人、崇明区3人)、吉林省248人(長春市150人、吉林市87人、白城市10人、四平市1人)、浙江省13人(嘉興市9人、寧波市2人、紹興市1人、麗水市1人)、陝西省8人(西安市7人、商洛市1人)、北京市6人(豊台区3人、朝陽区2人、順義区1人)、山西省6人(太原市4人、運城市2人)、安徽省6人(六安市5人、阜陽市1人)、黒竜江省5人(牡丹江市4人、ハルビン市1人)、江蘇省5人(無錫市2人、徐州市2人、南京市1人)、広東省5人(広州市2人、深セン市1人、仏山市1人、湛江市1人)、山東省4人(済南市3人、威海市1人)、海南省4人(三亜市3人、陵水リー族自治県1人)、福建省3人(泉州市)、河北省2人(邯鄲市)、江西省2人(南昌市)、河南省1人(鄭州市)、重慶市1人(江北区)。このうち上海市の420人、吉林省の52人、浙江省の10人、福建省、海南省、陝西省の各2人、安徽省、山東省、広東省の各1人の計491人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは175日連続。4桁となるのは28日連続で、上海市で4桁となったのは初めてのこと。

 市中の無症状感染例についても2万3737人(前日から1176人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市2万2609人(浦東新区6949人、閔行区2791人、宝山区2758人、黄浦区2558人、徐匯区1516人、嘉定区1391人、普陀区1074人、楊浦区689人、松江区666人、静安区641人、長寧区596人、虹口区362人、青浦区318人、崇明区169人、奉賢区86人、金山区45人)、吉林省706人(長春市648人、吉林市56人、白山市1人、白城市1人)、河北省107人(邯鄲市65人、保定市42人)、江蘇省73人(蘇州市35人、南通市15人、宿遷市14人、徐州市3人、連雲城市3人、塩城市2人、鎮江市1人)、安徽省65人(六安市34人、阜陽市25人、淮南市5人、合肥市1人)、山東省39人(済南市23人、臨沂市6人、イ坊市3人、威海市3人、カ沢市2人、青島市1人、東営市1人)、江西省29人(南昌市)、浙江省26人(嘉興市15人、杭州市11人)、遼寧省25人(瀋陽市13人、鞍山市5人、錦州市4人、営口市3人)、河南省17人(周口市8人、永城市7人、鄭州市2人)、福建省9人(泉州市)、黒竜江省6人(ジャムス市2人、ハルビン市1人、大慶市1人、牡丹江市1人、黒河市1人)、山西省5人(太原市4人、運城市1人)、広東省5人(仏山市4人、広州市1人)、広西チワン族自治区4人(防城港市2人、崇左市2人)、雲南省3人(紅河ハニ族イ族自治州2人、徳宏タイ族チンポー族自治州1人)、湖北省2人(武漢市)、四川省2人(成都市1人、楽山市1人)、新疆ウイグル自治区2人(ウルムチ市)、天津市1人(南開区)、内モンゴル自治区1人(ヒンガン盟)、海南省1人(三亜市)。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは7日連続で、4日連続2万人超となり、流行開始後の最多を更新した。

 4月8日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万3186人(うち輸入性が442人)で、重症者は79人(輸入性はゼロ)。無症状の患者17万4015人(輸入性932人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。近日の新規感染例は省外からの流入例が主。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが華東部の上海市と東北部の吉林省。上海市では当初3月28日から4月5日の予定で事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査を実施したが、8日時点でも解除に至っていない。6日以降、全市民を対象としたPCR検査または抗原検査(リスク度合いにより検査内容が異なる)が始まり、9日も継続して実施される。同市では、8日まで5日連続で1万人超(7、8日は2万人超)の感染者が出現しており、予断を許せない状況が続く中、市内に陽性者を収容する臨時の医療施設が次々開設されている。吉林省では、近日になって新規感染者数が下落に転じている。

 マカオ特別行政区では4月8日まで180日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月8日までの累計は約117.3万人(無症状含む)、死亡者数は8430人、死亡率は0.72%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近7日連続で新規感染確認数が5千人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。8日から10日までの3日間、全市民を対象としたスピード抗原検査計画(強制ではなく参加は個人の意思に委ねられる)が実施される予定。なお、香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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