香港の新型コロナ新規感染確認者数は5687人…前日からやや増も流行緩和の見方維持=9/21

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月21日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から82人増の5541人、輸入性は11人増の146人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から93人増の5687人で、5日ぶりに増加となったが、12日連続1万人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染確認数は約171.2万人。

 新規死亡報告数は9人で、年齢は66〜92歳。第5波開始以来の累計死亡者数は9704人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2402人で、このうち新規の入院患者が265人。容体は危篤が54人、深刻が46人などとのこと。

 新規感染確認者数は前日から増加に転じたものの、当局は流行緩和の兆候があるとの見方を維持した上、水際措置やソーシャルディスタンス措置の調整余地があり、引き続き検討を進めており、決定次第通知するとした。また、過去数日の入院患者数、病床使用量、重症者数はいずれも緩和傾向にあり、緊急性を要しない医療サービスの再開の有無について検討中であることも明らかにした。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続いたが、中秋節連休明けに目立った感染確認数の増がなく、減少傾向を維持する中、再び緩和ムードが盛り上がりをみせている。

 新規市中感染例に占める変異株の割合について、最新データではBA.4/5の合計が約84%となっており、BA.5に限ると約78%とのこと。

 9月20日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.9%(1回目の接種完了)、91.6%(2回目の接種完了)、76.7%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。20日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万0479回で、7日移動平均は2万7467回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(15.92%)、3〜11歳(83.49%)、70〜79歳(82.92%)、80歳以上(70.99%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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