マカオ、2022年11月のインバウンド旅客数は約36万人…近隣地区の新型コロナ流行状況悪化で大幅減に

 マカオ政府統計調査局は12月21日、今年(2022年)11月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年11月のインバウンド旅客数は近隣地区(中国本土、特に隣接する広東省)における新型コロナ流行状況の悪化の影響を受け、前年同月比54.3%減の36万6511人(延べ、以下同)にとどまった。対前月でも36.8%減に。

 内訳は、宿泊を伴う旅客が前年同月比31.7%減の19万6279人、日帰り旅客が66.9%減の17万0232人。平均滞在時間は同0.6延びて1.9日となり、内訳は宿泊を伴う旅客が0.1日長い3.5日、日帰り旅客が横ばいの0.1日。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客だが、その数は前年同月比56.8%減の32万0267人、全体に占める割合は87.4%。このうち個人観光客が11万6890人。原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が18万4163人で、隣接する広東省珠海市が48.1%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ3万8562人、5569人。これらに次ぐのが米国の297人、韓国の208人で、日本は158人。

 インバウンド旅客の入境ルートは陸路が最多で前年同月比58.0%減の32万0130人。このうち關閘イミグレーション経由が63.0%、横琴イミグレーション経由が21.9%を占めた。また、空路は2万7313人、海路は1万9068人。

 今年1〜11月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から22.9%減の531万9049人。内訳は、日帰り旅客が14.7%減の305万6366人、宿泊を伴う旅客が31.7%減の225万4583人。旅客の平均滞在時間は0.1日短い1.5日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.1日長い3.3日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、所定の期限内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となった。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられてきた。今年に入って以降、オミクロン変異株の流入によって中国本土各地で比較的規模の大きな再流行が出現し、水際措置だけでなく、移動に関する制限が講じらる場合もあり、本格的なインバウンド旅客数の回復には至っていない。

 ここまでマカオのインバウンド旅客数の大半を隔離検疫免除での相互往来が実現している中国本土からが占める状況だが、今年8月下旬以降は外国人の入境制限も段階的に緩和が進んでいる。中国本土以外からは義務的隔離検疫(5日間)の存在がネックとなっていたが、12月に入って以降、事実上のウィズコロナへ転換したことを受けて、隔離ホテル滞在が不要とされ(ただし自宅または自己選択するホテルでの5日間の隔離検疫は必要)、今後一層の緩和も見込まれ、ようやく本格的なインバウンド旅客数の回復のメドが立ちつつあるといえそうだ。

マカオの観光名所のひとつとして知られる世界遺産セナド広場周辺の状況=2022年12月11日本紙撮影

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