マカオのカジノ売上が4ヶ月で前年通期を上回る…4月約2400億円、1〜4月累計141.4%増の8100億円

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、最新(4月)の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年(2023年)4月の売上は前年同月比449.9%増の147.22億パタカ(日本円換算:約2426億円)で、対前月でも15.6%増。4ヶ月連続で100億パタカの大台に乗せ、新型コロナの影響が生じた2020年2月以降の最多を更新。コロナ前の2019年同月からは37.6%減だが、今年に入って以降は乖離幅の縮小が続く。

 4月の営業日は30日間で、前月と比較して1日少ない。4月の1営業日あたりの平均売上は4.91億パタカ(約80.9億円)で、前月から0.80億パタカ(約13.2億円)増。新型コロナの影響が生じて以降では、2022年7月の0.13億パタカ(約2.1億円)及び2020年第2四半期の0.23億〜0.56億パタカ(約3.8億〜9.2億円)が底で、大きく戻してきている。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスとなっている模様だ。

 今年1〜4月累計のカジノ売上は前年同時期から141.4%増の493.64億パタカ(約8135億円)。変動率は前月時点から46.5ポイント拡大。わずか4ヶ月間で前年通期の実績を上回った。コロナ前の2019年同時期からは50.5%減。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約1908億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1701億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2099億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2426億円(449.9%増)
>1〜4月累計:493.64億パタカ=約8135億円(141.4%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約5兆9452億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約5兆7931億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約3兆8043億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆6785億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆3795億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約4兆9909億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約4兆8197億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約9961億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆4315億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約6954億円(51.4%減)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…
  3.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのイーストスクエアで4月24日、…
  4.  マカオ治安警察局は4月24日、同月22日に路線バスの車内で乗り合わせていた20代の女性の臀部に下…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月24日、マカオ半島新口岸地区にあるマカオグランプリ博物館でレゴ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun