マカオのカジノ売上が回復持続…5月約2700億円、1〜5月累計172.9%増の約1兆1300億円に

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は6月1日、最新(5月)の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年(2023年)5月の売上は前年同月比365.9%増の155.65億パタカ(日本円換算:約2709億円)で、対前月でも5.7%増。前月に続いて新型コロナの影響が生じた2020年2月以降の最多を更新。コロナ前の2019年同月からは40.0%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にある。

 5月の営業日は31日間で、前月と比較して1日多い。5月の1営業日あたりの平均売上は5.02億パタカ(約87.4億円)で、前月から0.11億パタカ(約1.9億円)増。新型コロナの影響が生じて以降では、2022年7月の0.13億パタカ(約2.3億円)及び2020年第2四半期の0.23億〜0.56億パタカ(約4.0億〜9.8億円)が底で、大きく戻していることがわかる。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。

 今年1〜5月累計のカジノ売上は前年同時期から172.9%増の649.29億パタカ(約1兆1302億円)。変動率は前月時点から31.5ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは48.3%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、5月終了時点で新型コロナの影響が生じた初年となる2020年実績も超過。今後はコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目点となる。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2016億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1797億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2217億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2563億円(449.9%増)*ここで前年超え
・5月:155.65億パタカ=約2709億円(365.9%増)
>1〜5月累計:649.29億パタカ=約1兆1302億円(141.4%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆2793億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆1187億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆0181億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆8852億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆6256億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆2714億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆0905億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆0521億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆5120億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7345億円(51.4%減)

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