マカオ税関が運び屋への商品供給拠点を摘発…大量の珍味「乾燥花膠」押収

 澳門海關(マカオ税関)は8月25日、同月24日夜にマカオ半島北部に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場のある關閘エリアは中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所。

税関が発見、押収した乾燥花膠(写真:澳門海關)

 税関によれば、マカオ半島北部の路面店が運び屋に商品を供給する拠点になっている可能性があるとの通報を受け、現場に職員を派遣して内偵調査に着手したとのこと。24日夜、運び屋とみられる女1人が当該店舗を出た後に追跡を開始。女が徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにあるマカオ側の税関検査場で手荷物検査を行ったところ、まとまった量の乾燥花膠(魚の浮き袋の乾物で中国では珍味とされる)を所持していたことが判明。女はマカオ人で、税関の調べに対し、乾燥花膠は当該店舗でピックアップしたもので、運搬協力費名目で報酬を得て、中国本土側へ持ち出そうとしたなどと話し、運び屋行為を認めたという。

 これを受け、税関では速やかに当該店舗に対する摘発を実施。現場にいた責任者のマカオ人の女の身柄を拘束するとともに、輸出に必要な書類のない乾燥花膠約65キログラム、市価約20万パタカ(日本円換算:約362万円)相当を発見したとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け商品供給拠点の店舗(写真:澳門海關)

 税関では、運び屋の女と商品供給拠点の責任者の女の2人を対外貿易法違反で起訴するとともに、発見に至った商品を押収済みとした。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう呼びかけ、今後も全力で摘発を行うとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの商品供給拠点の責任者の女(写真:澳門海關)

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