マカオ税関が運び屋への商品供給拠点2ヶ所を摘発…高級食材「乾燥花膠」約5500万円分押収

 澳門海關(マカオ税関)は10月7日、同月6日夜にマカオ半島北部に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点2ヶ所を摘発したと発表。

 マカオ半島北部は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っているエリア。

税関が発見、押収した乾燥花膠(写真:澳門海關)

 税関によれば、情報収集を通じてマカオ半島北部にある路面テナント1軒が運び屋に商品を供給する拠点になっている可能性があるとみて内偵調査を進めていたとのこと。6日午後、運び屋とみられる女1人が当該物件を出た後に張り込み中の税関職員が追跡を開始。女が徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにあるマカオ側の税関検査場と連携し、女を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、所持品の中からまとまった量の乾燥花膠(魚の浮き袋の乾物で中国では珍味とされる)を発見。女は税関の調べに対し、当該物件でピックアップした物品を運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたと説明し、自身の運び屋行為を認めたという。

 これを受け、税関では速やかにターゲット物件の摘発に着手。現場にいた責任者の男1人の身柄を拘束するとともに、大量の乾燥花膠を押収。さらに、このテナントに商品を流していたとみられる近隣の工業ビル内の倉庫の存在も明らかとなり、2ヶ所で発見、押収に至った乾燥花膠の量は約1420キログラム、市価約300万パタカ(日本円換算:約5500万円)相当に上ったとのこと。

税関が摘発した運び屋向け商品供給拠点の店舗(写真:澳門海關)

 運び屋の男、テナントの責任者の男ともにマカオ人で、税関が両者を対外貿易法違反で起訴。倉庫内には女性従業員が3人いたが、運び屋行為に関与した形跡がなかったため調書を取った後に退去を許可したという。倉庫は営業許可証明書類がない状態だったことから、財政局による調査も行われるとのこと。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行っており、今後も適宜法執行策を調整しながら全力を挙げて摘発を進めるとした。

税関が摘発した密輸品の倉庫(写真:澳門海關)

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