マカオ、2023年1〜9月累計のカジノ税収は約8500億円…対前年202%増、年度予算進捗率90%

 このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2023年)1〜9月の歳入は前年同時期から20.3%減の678億7079.9万パタカ(日本円換算:約1兆2606億円)で、年度予算執行率は67.0%だった。

 ただし、経常性収入に限ると112.4%増の574億7069.2万パタカ(約1兆0672億円)。このうち、いわゆるゲーミング(カジノ)税収が202.7%増の457億7127.9万パタカ(約8500億円)で、年度予算執行率は90.0%に。歳入に占めるゲーミング税の割合は67.4%。

 歳出は11.2%減の624億3661.5万パタカ(約1兆1595億円)で、年度予算執行率は61.6%。経常性費用における新型コロナ経済支援対策を含む援助・補助等の項目が大幅減となったことがマイナスの主要因で、投資計画分は前年から増加している。

 財政収支は54億3418.4万パタカ(約1002億円)の黒字で、前年同期比では63.3%減。

 なお、財政収支はコロナ禍にあった2020年から2022年にかけても数字上で黒字となったものの、主要財源であるゲーミング税収が激減したことを受けて財政準備資産から補填した経緯があり、実質赤字の状況だった。

 マカオでは長くゼロコロナ政策が維持され、インバウンド旅客数も低迷したが、昨年12月に事実上のウィズコロナへ転換し、水際措置の緩和が一気に進んだ結果、状況が一変。今年に入って以降はインバウンド旅客数が急回復し、勢いも持続する状況で、ゲーミング税の算出根拠となるカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)にも波及している。

 参考までに、今年1〜8月累計のインバウンド旅客数は対前年同期363.1%増の1762万7112人、同1〜9月累計のGGRは305.3%増の1289.47億パタカ(約2兆3946億円)で、それぞれコロナ前2019年同時期の64.2%、約58.5%に相当。今後、コロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。

カジノのイメージ(資料)=本紙撮影

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