マカオの2023年8月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前年大幅増も翌月見通しは悪化

 マカオ政府統計調査局は10月19日、今年(2023年)8月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から78.4%増。各ジャンルとも前年同月から売上増となり、特に西洋料理店(+1.4倍)が顕著だった。チャイニーズスタイルの酒楼・飯店と茶餐廳についてもそれぞれ97.8%、56.7%増(+3.6倍増)。

 同局の調査に回答した小売業者の売上額は71.2%増。ジャンル別では百貨(+1.4倍)、成人ファッション(+1.1倍)、革製品(+96.7%)、時計・宝飾品(+94.9%)が顕著な増に。一方、自動車(-29.7%)は減。

 前月と比較した売上額では、飲食業が1.0%減、小売業については2.8%増。飲食業では日韓レストランが6.2%減、小売業では時計・宝飾品、百貨、化粧品・衛生用品がそれぞれが12.6%、6.5%、5.2%増で、革製品と成人ファッションはそれぞれ4.3%、4.2%減。

 8月と比較した9月の見通しについては、飲食業の59%が減、13%が増、小売業では36%が増、18%が増とした。8月は夏休みシーズン、9月は閑散期にあたることが主要因とみられる。なお、飲食業のうち西洋料理店とチャイニーズスタイルの酒楼・飯店のそれぞれ73%、23%、小売業のうち百貨、革製品、時計・宝飾品のそれぞれ42%、40%、39%が下落と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が26.5、小売業が40.9で、いずれも基準値となる50を下回り、8月に比べて9月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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